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5年前の予想的中! 新iPhoneはLightningコネクタ廃止・USB Type-C搭載に

時事ネタ

2023/09/20 18:35

 Appleが9月13日、iPhoneの新モデルを発表した。2016年発売の「iPhone 7/7 Plus」でイヤホンジャック、17年11月発売の「iPhone X」で指紋認証「Touch ID」を廃止したAppleは、今年ついに「Lightningコネクタ」を廃止し、代わりにMac/iPadと同じ「USB Type-C(USB-C)」を採用した。USB-Cは充電やデータ転送、他のUSB機器への給電に対応し、USB 3.0対応の「iPhone 15 Pro/15 Pro Max」と別売のUSB 3.0対応ケーブルを組み合わせると、従来以上の高速転送が可能だ。ここで改めて、今回、LightningからUSB-Cに変更した事情を説明しよう。

新iPhoneの「USB-C」の紹介ページ

USB 3.0対応のiPhone 15 Pro/15 Pro Maxは高速転送が可能に

 それまでの「30ピンDockコネクタ」に代わって、12年発売の「iPhone 5」から採用されたApple独自の「Lightningコネクタ」は、後年、USB-Cが登場するまでは最先端の接続インターフェースだった。5年ほど前、充電規格の共通化を決定したEU向け仕様に合わせるため、当時、Androidスマートフォンやデジタルカメラ、携帯型ゲーム機などで採用が進み始めていた「USB-Cコネクタ」に切り替えるのではないかという噂がインターネット上で広まり、その噂を受けて、<次期iPhoneはLightningコネクタ廃止!? データで噂を検証する>という記事を掲載したが、その年はもちろん、それ以降もずっと「Lightningコネクタ」のままだった。
 
「USB Type-C」はデータ送信も電力供給も
1本で済む次世代コネクタの位置づけ
(エレコムのウェブサイトより)

 ただし、Mac/iPad Proは早々にUSB-Cに切り替わり(第10世代からiPadもUSB-Cに移行)、Mac/iPadとiPhoneを併用する場合、LightningとUSB-C、それぞれのケーブルやアクセサリを機器ごとに使い分けなければならない状況となっていた。

 今年発表の最新モデル「iPhone 15」から、ようやく充電・転送コネクタがUSB-Cに代わり、5年前の予想が的中した格好になるが、正直、「遅すぎた」という印象は否めない。また、ユーザーの利便性向上のためとは建前で、ケーブルをはじめとする純正アクセサリの買い替えを促すために切り替えたのではないかという見方もある。実際、新iPhoneの発表と同時に「USB-C-Lightningアダプタ」(4780円)が登場した。
 
Apple純正アクセサリ「USB-C-Lightningアダプタ」(右)
は4780円。このアダプタを利用すれば、
手持ちのLightning機器をそのまま新しいiPhoneで活用できる

 家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、23年8月は、モバイル機器ケーブルの販売本数の約7割、69.9%がLightningケーブルだった。
 

 Type-Cがすでにかなり普及しており、一方でLightningコネクタ搭載iPhoneもまだ多く使われているため、Lightningケーブルのシェアは急落には至らず、徐々に下がっていくとみられる。Type-C搭載機器をすでに持っているユーザーにとっては「待ちに待った」ともいえる今回のType-Cへの移行は、Dockコネクタを廃止した11年前とは異なり、多くのユーザーに歓迎されそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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