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家計を圧迫する「電気料金高騰」のからくり 政府の「電気料金の負担軽減策」も役に立たず!?

 【家電コンサルのお得な話・111】 「えっ、何これ?」 1月の電気料金の請求金額を見て筆者は自分の目を疑ってしまった。筆者同様、「今まで見たこともない請求金額」に驚かれた方も多いのではないだろうか? 各電力会社の値上げに続き、ついに東京電力エナジーパートナー(東電EP)も2023年6月1日から平均29.31%の値上げを経済産業省に申請した。複雑な電気料金の仕組みを簡略化してわかりやすく解説しよう。

複雑な電気料金を簡略化したイメージ図(筆者作成)

一般家庭の60~70%が加入する「規制料金」を値上げ

 電気料金高騰の原因として、新型コロナによる経済の低迷、脱炭素の推進、ウクライナ侵攻、そしてとどめとしての「円安」により、石炭やLNGの輸入価格が高騰していることが挙げられる。また、この電気料金高騰の問題は地域間格差が大きく、原発を見込める関西より、北海道や東北の方がさらに厳しくなっているだろう。

 こういった状況の中、すでに多くの電力会社(旧一般電気事業者)が一般家庭向け電気料金の値上げ(2023年4月:申請時の値上げ予定日)を申請・認可された。そして2023年1月23日、東京電力ホールディングスのグループ会社である東京電力エナジーパートナー(東電EP)も経済産業省に値上げを申請。電気料金の中の「規制料金」について、2023年6月1日から平均29.31%の値上げを申請するという内容だ。

 今後、各電力会社の電気料金がさらに高騰する見込みだが、この申請・認可が電気料金のどの部分を指すのかをわかりやすく説明しよう。

 電気料金の仕組みやプランは複雑で、全てを説明することはできないが、大まかなイメージは図の通り。

 電気料金の内訳は図中(1)のようになっているが、高騰の理由として大きいのが輸入価格の影響をもろに受ける「燃料費調整額」である。

 また、図中(2)の電力プランの「規制料金」とは、2016年4月の電力自由化以前からあるプランのことで、「従量電灯」等が該当し、一般家庭の60~70%程度がこの規制料金のプランだと言われている。

 この規制料金は消費者保護の観点等から「燃料費調整額」の上限が決められているが、各電力会社とも、すでに上限に達している。規制料金の上限を超えて値上げするには経済産業大臣の認可が必要で、すでに申請・認可された電力会社に続き、今回、東電EPが申請したのも、この規制料金の値上げである。

 前述のように今回の東電EPによる規制料金の値上げ幅は30%前後、申請・認可済の電力会社も申請時の規制料金の値上げ幅は30~45%前後(電力会社による)だ。これは政府の「電気料金の負担軽減策」を上回るため、さらに家計が圧迫されることが考えられる。

 一方、図中(2)にある「自由料金」の料金改定は、経済産業大臣の認可が不要で、各電力会社の判断で値上げできるというもの。現行の「オール電化」向けプランなどはこの自由料金のプランであるため、すでに高額の請求を受けている方も多いと考えられる。

 電気・ガス・水道は、人や企業の生死につながる重要なインフラだ。個人でできる節約には限りがあり、
・電力会社の比較と乗り換えの検討
・冷暖房の設定温度など、一般的な「家庭での省エネ対策」の実施
・古い家電製品の買い替え
――などに限られてしまう。

 まずは、信頼できる地域電器店や家電量販店等に料金シミュレーションや省エネ家電への買い替えなどを相談することから始めるといいだろう。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
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