【記者のひとこと】信号機が起点のビジネスチャンス

コラム

2022/09/05 10:00

 電気自動車や自動運転などテクノロジー絡みのトピックが多いモビリティ業界で、ひそかに盛り上がっているのが、交通社会の基盤となるインフラのDXです。8月22日には産官学が連携する「交通インフラDX推進コンソーシアム」が設立。次世代インフラの実現に向け、具体的なアクションを起こしていくことを宣言しました。

 計画の要となるのは「信号機」です。全国に張り巡らされた信号機と5G基地局やセンサーを組み合わせてデータを蓄積、そのデータをAIで解析し、渋滞緩和や事故防止につながるソリューションを模索していくそうです。音頭を取る東京大学の大口敬教授は発表会で「交通だけでなく多角的な社会貢献につながる」とコメント。災害対策や防犯、環境負荷軽減など幅広い社会課題解決も視野に入れています。

 可能性が交通だけにとどまらないなら、信号機を起点にしたまったく新しいサービスが広がっていくことも考えられます。日本から世界に発信する社会課題解決モデルケースを実現したいという思いもあるようで、コンソーシアムに参加していないITベンダーにとっても大きなビジネスにつなげるチャンスとなるかもしれません。(大蔵大輔)

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信号機×5Gで次世代の交通社会を目指す、交通インフラDX推進コンソーシアムを設立