上新電機、22年3月期決算はECが増収だが全体では減収に

経営戦略

2022/05/13 12:30

 2021年度は緊急事態宣言の発令や長梅雨と豪雨、巣ごもり・テレワーク需要の反動減などが重なり、環境的に厳しい年度だった。上新電機の22年3月期連結決算もこれらの影響を受け減収減益となったが、ECは引き続き好調に推移し、増収となった。
 

 売上高が4095億800万円(前年度比8.8%減)、営業利益は88億8400万円(同46.3%減)、経常利益は97億100万円(同41.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は63億9100万円(同28.0%減)で前年度の実績を大きく下回った。
 

 売上高から売上原価を引いた売上総利益は前年度比12.2%減。この売上総利益から販売管理費を引いた額が営業利益となるが、販売管理費は同6.3%減にとどまったため、営業利益は同46.3%減と大きく減少した。

好調なECは売上高が5.8%増で売上構成比は18.5%

 21年4月25日から4都道府県に3回目の緊急事態宣言が発令。上新電機は5月31日までに最長37日間、最大100店舗を休業した。例年であれば夏商戦の時期も天候不順によって季節商品の需要が伸びず、期待した東京五輪での需要喚起も肩透かしに終わった感が強い。

 21年3月期の連結売上高や利益は過去最高を記録したが、上記の要因などから22年3月期の商品販売は落ち込んだ。
 

 商品別売上高を見ると特定分野がダウンしたのではなく、全体的に落ち込んだことが分かる。このような状況下で、携帯電話はサブキャリアの台頭や割安感のある新料金プランによって売上高は増加した。

 同社の販売チャネルは店頭販売とEC、その他の3つ。販売チャネル別では店頭販売が前年度比9.5%減で、その他も同52.5%減とダウンしたが、ECは逆に5.8%増と伸長し、売上構成比は同2.5ポイントアップの18.5%となった。

 22年3月期から「収益認識に関する会計基準」が適用され、これも連結決算に影響を与えた。決算短信に記述されているこの影響分を収益基準適用前として作成したのが下の図である。
 

 21年3月期の粗利益率は25.0%で、収益基準適用後の22年3月期は24.0%と1.0ポイントのダウンだったが、収益基準適用前では25.5%にアップした。逆に販売管理費は適用前では増額となるため、営業利益率や経常利益率は適用後よりもダウンとなる。

23年3月期連結売上高予想は2.6%増の4200億円 

 23年3月期の連結業績は売上高が前年度比2.6%増の4200億円で、このうちEC売上高は同5.4%増の800億円と予想。営業利益は100億円(同12.6%増)、経常利益も100億円(同3.1%増)を見込み、当期純利益は70億円(同9.5%増)を想定している。