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【記者のひとこと】SF映画から分かる当時のスタンダードツール

コラム

2020/05/08 10:00

 東京都をはじめ、多くの自治体が「ステイホーム」を呼び掛けている今、さまざまなコンテンツ配信サービスがタイトル数を増やしています。私もこれを機に、今まであまり触れてこなかった映画を観るようになりました。

 友人に勧められて数作品を観てみたのですが、特に記憶に残ったのが筒井康隆原作・今敏監督によるSFアニメ映画「パプリカ」。そのストーリーは、他人と夢を共有する装置「DCミニ」が盗難されたことをきっかけに装置を悪用した事件が頻発する中、開発スタッフや刑事が現実世界と夢世界を行き来しながら事件を解決していくというものです。平沢進氏による近未来的な音楽も相まって独特な世界観を楽しめる作品でした。

 今監督と平沢氏は、パプリカ以前の映画製作でもタッグを組んでいたこともあり、パプリカの作中では関係者や過去作を思わせる演出が数多く出てきます。個人的に印象的だったのが、サイコセラピーを受けるために刑事が自身のPCからセラピストのサイトを開くシーン。

 そのシーンではブラウザを開く前にグループウェアの画面が映るのですが、ロゴに「Lotus」の文字が出てきます。初見では、かつてロータスデベロップメントが開発提供し、IBMが買収した「Lotus notes(IBM Notes)」のことかと思っていたのですが、聞けば平沢氏の代表作にも「Lotus」という曲があるそうで、おそらく両者を掛け合わせた遊び心溢れる演出だと思われます。

 現在では、“古い”ツールだとしてシステムを刷新する際にマイグレーションの対象となることが多いLotus notesですが、広く普及していたからこそこの演出だといえます。近未来を描いたSF映画では、現実でも使われているようなツールやソフトが出てきますが、それらが何をモチーフとしているのか考えながら鑑賞してみるのも面白いかもしれません。(銭君毅)

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