矢野経済研究所は2月17日、国内スマートフォン(スマホ)ゲーム市場の最新動向、参入企業動向、将来展望に関する調査結果「2019-2020 スマホゲームの市場動向と企業分析」を発表した。

2019年度の国内スマートフォンゲーム市場は1兆1380億円規模となる見込み

 調査によれば、2018年度の国内スマホゲーム市場(メーカー売上金額ベース)は、前年度比5.4%増の1兆850億円で、有力IPを搭載した複数のゲームタイトルが常にアプリストアのランキング上位に位置し、長期にわたって人気を持続させているほか、海外メーカーや家庭用ゲーム市場を主戦場としてきた任天堂をはじめとする国内メーカーの本格参入によってマーケットが刺激され、市場の拡大につながっている。

 一方で、競争の激化によって新規タイトルでのヒット創出が難しくなり、新規参入が難しい市場環境になりつつある中で、これまで高い支持を得てきた有力既存タイトルでも、収益性が低下しているものが少なくない。

 スマホゲーム環境のリッチ化によって、家庭用ゲームと同等の開発技術が求められるとともに、IPによる認知度の高さに加えて新規性のあるゲーム環境によってユーザーを惹きつけることが急務となっている。

 ところが、多くのユーザーはスマホゲーム市場の黎明期から人気のある一部タイトルや、リリースから数年経過しているタイトルを現在に至るまで継続的にプレーしている傾向が見られ、新規タイトルでユーザーの限られたプレー時間をいかに確保するかが課題となっている。

 調査では、こういった課題を解決するには、これまでの既存タイトル以上に有力なIPを使用する、または新規性のあるゲーム性で注目を集める必要があると指摘している。

 日本国内でのeスポーツへの注目の高まりについては、現状でスマホゲーム市場への影響が限定的と見ており、その理由としてスマホでの操作性、対象ゲームタイトル数の少なさ、世界的に見てスマホゲームでのeスポーツの人気が他の機器と比較して発展途上であることなどを挙げている。

 また、スマホでのeスポーツの現状については、マネタイズの仕組みの構築を含め、明確で分かりやすい環境を整えた上で、プロスポーツとしてのさらなる認知向上が必要な状況と分析した。

 2019年度の国内スマホゲーム市場(メーカー売上金額ベース)は、前年度比で4.9%増の1兆1380億円に拡大すると予測しており、今後も成長が持続するものの成長率は鈍化していき、限られたパイを多くのメーカーが奪い合う構図が深化していくと見込んでいる。

 また、現在のスマートフォンゲーム市場は、約2割の課金ユーザーが収益を支えているが、今後も継続して市場が成長していくためには、現在の“狭く深く”の収益体質をより深化させていくことも重要ながら、無課金ユーザーをターゲットに“広く浅く”収益を確保していくための仕組みづくりが重要になると指摘した。