【記者のひとこと】経営トップ自らが動く

コラム

2018/03/23 10:00

 海外にいるのと日本にいるのとでは、手に入る現地の情報の質・量に、大きな違いがあると実感しています。日本にいては、どうしても一次情報に触れることができません。海外ビジネスを手がける企業は、現地側の意見に深く耳を傾ける必要があると感じます。

 中国の日系ITベンダーを俯瞰してみると、経営トップが自ら現地に足を運んでいる場合、比較的スムーズに事業が進捗している印象を受けます。例えば、セゾン情報システムズの中国法人は、ローカル企業向けの顧客を多く抱える日系ベンダーの1社で、本社の内山和弘社長は、2013年5月から17年12月にかけて36回訪中しました。中国のユニークなビジネスモデルを日本に持ち込もうとしているクララオンラインの家本賢太郎社長は、隔週で北京に出張しています。

 ソーシャルビッグデータを活用して、日本企業の中国マーケティングを支援しているトレンドEXPRESSも、経営トップが腹をくくって現地入り。17年から月の半分ほどを中国で過ごしている濱野智成社長は、「この国に一番詳しい人になれば、必ず日本企業は助けを求めてくれる」と確信しています。(真鍋武)

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