<Visualization~商圏・人口・消費>第1回・民間消費額

データ

2017/01/30 10:00

 内閣官房・経済産業省が作成した地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」から

 「RESAS」は、国の統計資料(公的データ)を中心に、民間の調査データも含めた膨大な量のデータを「見える化」して、課題解決を手助けするツール。都道府県/市町村単位で集計でき、全国や他の自治体の数値と簡単に比較できる。

 2020年以降、日本は本格的に人口減少フェーズに突入する。官民問わず、データに基づいた現状の客観的な分析と今後の対策づくりが急務だ。
 

消費は東京に一極集中

 2010年の都道府県別の民間消費総額(地域住民・企業ベース)1位は東京都。2位は神奈川県、3位は大阪府と、人口数と同じ順となる。ただ、東京都の38兆9882億円に対し、2位の神奈川県でも22兆7984億円にとどまる。ワースト3の島根県・高知県・鳥取県に至っては1兆円前半だ。地域による差は大きく、消費は東京都に集中している。 地域内収支をみると、東京都は5位にダウン。1位は神奈川県で、京都府、宮城県、千葉県と続く。上位は若干のプラスで収支の差はほとんどないが、下位の県は大幅なマイナス。ワースト1位の愛知県は1兆920億円のマイナスだった。
 

 実際の街の勢いは、学区やエリアなど、もっと細かい単位で変わる。再開発が成功すると、人の流れは急激に変わり、人口が増え、それに従って消費額も増える。残念ながら「RESAS」で公開されている公的データの最小単位は市町村で、一部の集計を除き、ピンポイントで絞った任意のエリアでの集計はできないが、店舗のPOSデータとを体感と組み合わせれば、地域の消費動向がより正確に予測できるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)

 
■地域経済分析システム「RESAS」

 対応ブラウザ(Google Chrome)でアクセスすれば、誰でも無料で利用できるオンラインサービス。一部のデータは、印刷やダウンロードなどが可能。機械判読可能で加工しやすい形式で取得できるAPI機能も提供している。

・RESASポータルサイト
 
 
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年2月号から転載