トップセールスに聞く「Surface Book」の提案術

売るヒント

2017/01/04 12:34

 マイクロソフトSurfaceが日本に登場してから約4年半。販売現場では、Surface Proシリーズの売り方には慣れていても、2016年2月に発売したSurface Bookは、まだ手探りの販売員も多いだろう。すでにSurface Bookで販売実績を上げている2名のプロダクトアドバイザーが、提案のポイントを教える。


左から、マイクロソフトプロダクトアドバイザーの髙見鉄兵氏、小林優樹氏

SSD/Core i5/8GB の快適さに納得いただいて
Surfaceへステップアップ

 

Surface Book

 ノートPCの買い替えで家電量販店に来店する顧客の多くは、PCが故障したか、操作時のスピードが遅くなったからという理由が大半。予算は5万円~10万円で、最新A4サイズのノートPCを探しに来るというケースだ。こうした顧客に上位モデルを案内する最初の手順で、小林氏と髙見氏はSSDや8GBメモリ、Core i5 CPUの違いやメリットを丁寧に説明する。



(予算を10 万円に引き上げる
・SSD の快適さの訴求が有効
・CPU とメモリの違いも丁寧に説明)

「ログイン」直後のスピード体感

 小林氏は、低価格が売りのPCを探している顧客から共感を引き出す有効なトークの一つに「HDDとSSDの違い」があると語る。「多くのお客様がPCが遅くなる原因の一つがHDDにあることはご存知です。HDD搭載PCを購入すると、年を追うごとに快適ではなくなることをお伝えしながら、トータルバリューでお買い得ではないことを説明します」。
 

小林優樹氏

 次に展示機でSSD搭載PCのメリットを、例えばPCの起動や、Windows 10にログインした直後のスピードを顧客の目の前で実演しながら納得してもらう。「SSD搭載PCの価値に共感いただければ、10万円クラスのSurfaceをご提案できるようになります」と、小林氏はSurfaceコーナーに誘引する手法を伝授する。

Core i5+8GBで同時処理の安心感

 Surfaceの案内の過程で、髙見氏はCPUとメインメモリの違いを説明。「Surface Pro 4の場合、CPUのCore m3モデルとCore i5モデルでは1万3000円程度の差しかありません。でも、実質的な処理能力は倍違うので、Core i5にご納得いただけるお客様がほとんどです」。
 

髙見鉄兵氏

 次にPro 4のメモリ4GBと8GBのモデルの違いを話す。ここで髙見氏は、日常の利用シーンを顧客にイメージさせる。

 「例えば、WordとExcelを同時に見比べながらメールをチェックして、さらに旅行の写真を開いているシチュエーションです。このとき、メモリ4GBの展示モデルで、実際に3.5GB近く使われている状況をタスクマネージャーでお見せするのです」。そして、長く、いつも快適な動作環境で使える8GBメモリがお薦めであることと、長く使えるモデルを選べば1年当たりのトータルコストが安く抑えられるトークも忘れずに添える。

生活シーンに沿って分かりやすく
Surface Book の魅力を実演


 8GBメモリの納得が得られたら、今度はSurface Pro 4とSurface Bookの8GBモデルを比較する。実はキーボードを含むPro 4と、Surface Bookの値段の違いは、1万円程度でしかない。髙見氏の場合、持ち運ぶ頻度を伺い、週3日以上の顧客にはSurface Pro 4を中心に案内するが、家の中でも使うなど、メインPCとして長く使うならSurface Bookを薦める。



 髙見氏は、すべての顧客にSurface Bookの13.5インチ大画面ディスプレイの美しさを伝えるという。「YouTube4K髙画質動画を再生して、私が操作して見せるだけでなく、ディスプレイを外してお客様に実際に持って、触っていただくように意識しています」と、体感が重要であることを指摘する。

体感を交えて具体的に提案

 一方の小林氏も、顧客が必ず驚く実演を披露する。それが、Surface Pro 4とSurface Bookの両ディスプレイを実際に顧客に持ってもらう実演。13.5インチで見た目には重そうなSurface Bookのディスプレイの方が軽いというギャップに、一様に驚くからだ。

 Surface Bookの使い勝手では、髙見氏は「WordやExcelを立ち上げて、実際に文字を打っていただきながら、フラットでしっかりしたキーボードの設計、余裕のあるキーピッチ、快適なストロークの3点をご紹介します」とトークのポイントを示す。

 Surface Bookのターゲットは、プロユースだけではなく、一般用途の幅広いユーザー層まで広げる。ここで小林氏が心がけているのが「専門用語を使わず、お客様の生活シーンに沿って分かりやすく説明すること」だ。

 例えば、Surfaceペンのリアルな筆圧を体感してもらうために、子どもがいるファミリー層には「Fresh Paint」による水彩画や油絵の実演を紹介。ビジネスユーザーなら「PowerPoint」でSurfaceペンを使ったレーザーポインターやメモ機能を紹介する。

 両氏の提案術を参考にしながら、Surface Bookが誰にも最適で付加価値の髙いPCであることを、実演を交えて丁寧に説明すれば、スムーズにクロージングまでもっていけるだろう。
 
Surface をはじめとしたWindows PC提案力強化の
マイクロソフト公式「認定プログラム」
ExpertZone の「Microsoft Expert 2016-17」

日本マイクロソフトでは、リテール販売員向けにSurface BookやSurface Pro 4の販売トレーニングを用意している。販売員専用トレーニングWEBサイト「ExpertZone」で提供している「Microsoft Expert 2016-17 認定プログラム」がそれだ。

 年末商戦に向けて家電量販店でPCやPC周辺機器の販売に携わる販売スタッフ向けに、実践的なセールストークを学んだり、競合製品を比較検討している顧客へのアプローチ方法など、現場で使えるノウハウが無料で修得したりできる。もちろん、Windows 10やOfficeなども動画や画像で学べる。

 各コースの最後に5問の確認テストがあり、すべてのコースを受講すると「認定バッジ」が取得できる。店舗で着用できる「認定バッジ」は、顧客に「Surfaceに詳しい販売員」としての信頼や安心感を与えられる。
 

「ExpertZone」のトップ画面。
マイクロソフト製品を販売するための実践的なノウハウが修得できる

 プロダクトアドバイザーの髙見氏は「スペックや価格から組み立てるトークではなく、お客様の生活シーンからアプローチするトークが学べるので、PC以外の販売にも応用できる」と太鼓判を押す。小林氏も「『ExpertZone』はスマートフォンに対応しているので、通勤時間や休憩などの隙間時間を使って効率的に学べるのがいい」と評価する。

 「認定プログラム」は、髙見氏や小林氏のような実際のプロのトップセールスたちの意見やノウハウを反映しながら、ブラッシュアップしている。トップセールスになるための近道だ。