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<KeyPerson>大手家電流通協会 佐藤健嗣会長 人材確保のヒントは、自動車と家電の違いに

インタビュー

2016/12/22 18:00

 家電流通の販売現場を支える人材の確保は、今後も慢性的に続く課題となるだろう。2016年7月に大手家電流通協会の新会長に就任した佐藤健嗣氏は、「現状のままではメスが入る」と危機感を持つ。

取材・文/細田 立圭志 写真/川嶋久人

・前半<2016年は「西高東低」、2017年は「低位安定」>から読む
 

T3A6979.jpg 「人材の確保が重要」と語る佐藤健嗣会長

―― 少子高齢化である現在、家電の販売現場を支える人材不足は慢性的な課題です。

佐藤 家電流通に若い人たちがもっと入ってくるようにすることは、重要な課題ですね。家電業界という広いくくりの中では、メーカーにも共通する課題ですが、自動車業界と家電業界では若い人の就職先として人気度が違うのはなぜか。私も自動車業界で働いていた経験があるので、昔の仲間などから「家電は大変だよね」などといわれてしまう。

 情けないけど、確かに自動車と比較すると、商売の仕組みなどが違いますね。メーカー間でも自動車と家電には差があり、メーカーと流通を比較したら、メーカーのほうが人気は高いです。

―― 流通業者のほうがメーカーよりも仕入れ交渉の場では力がある、というのが一般的な見方ですが。

佐藤 瞬間的にはそうかもしれません(笑)。しかし、小売りでも自動車業界では年中無休で働いている会社はないです。家電は年中無休のなかで、休みも取得していかなければならない。

 交替制のシフトを組んだとしても、少人数でオペレーションしなければならないので負荷がかかります。ワークライフバランスを考えた場合、年中無休が本当にいいのかを考えていく必要があります。もちろん、個々の会社ごとの話にはなりますが。
 

ワークライフバランスが課題と指摘する

―― 安倍総理が議長の「働き方改革実現会議」もスタートしました。

佐藤 競争しながら、それはそれでといわれてもみなさん躊躇しているのだろうと思います。しかし、そのような改革が進めやすくなる社会環境や経済環境の実現に向けて10年、20年の長いスパンでみたとき、現状にメスが入らざるを得ないでしょう。

 30年前の郊外型家電量販店の就業スタイルといえば、水曜日か木曜日は定休日で、開店時間は10時、閉店時間は19時というのが一般的でした。

 今では年明けの元旦から営業していますが、百貨店も家電店も3日からの営業でした。ただし、家電の場合はチャンピオンは一日多く休めて3日からで、われわれは2日からの営業でした。

 それでも、余裕があったわけですね。優秀な若い人材が家電流通業界に集まるように、みんなで知恵を出し合っていく必要があります。

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