NECレノボが小学校で「夏休みプログラミング教室」

特集

2016/08/03 13:33

 東京・世田谷区立松沢小学校の運営委員会は8月2日、夏休みの「わくわく体験教室」のひとコマで「プログラミング体験教室」を開催。NECレノボ・ジャパングループのNECパーソナルコンピュータとレノボ・ジャパンが、教室の運営やPC30台の用意、講師の面で協力した。


松沢小学校の1、2年生の28人が参加した「プログラミング体験教室」

 政府は国家戦略として2020年度から小学校での「プログラミング教育」の必修化を検討している。そうした中、「PC業界の人々がこうした地域に根ざした活動に積極的に参加して盛り上げてほしい」と、講師役を務めたNECレノボ・ジャパングループの宗像淳コンシューマ事業プレジデントは、産学が連携したバックアップの必要性を語る。

 

講師役を務めたNECレノボ・ジャパングループの宗像淳コンシューマ事業プレジデント

 「プログラミング体験教室」には、松沢小学校の1、2年生の28人が参加。前日は3~5年生の30人が参加した。数年前から夏休みなどを使ってPC教室は開催していたものの、プログラミング体験という内容や、NECレノボ・ジャパングループの協力による開催は初めての試み。

 初めてプログラミングを体験した生徒たちは、自分たちが作ったプログラムに従ってPC画面の中のキャラクターが動く様子に、目を輝かせていた。同小学校の中村一裕副校長は「みんな楽しそうで、普段の授業のときと目の色が違った。周りの人たちの支援を受けながらゴールを目指すという授業内容がよかったようだ」と評価した。

教材は小学生でも簡単にプログラミングできる「Hour of Code」

 プログラミング教室で使った教材は、Webブラウザベースの「Hour of Code」。公教育におけるプログラミング教育の普及・推進を目的として活動しているみんなのコード(利根川裕太代表理事)が、ボランティアで、子どもが通う学校や、職場などで「Hour of Code」のワークショップ開催などの活動を呼びかけている。

 宗像プレジデントが「直感的な操作ができ、プログラミングの教材として実によくできている」と絶賛するように、「Hour of Code」は、小学生でも簡単にプログラミングが楽しめるつくりになっている。

 「アナと雪の女王」や「スター・ウォーズ」、「マインクラフト」などから、好みのキャラクターを選んだら、「まえにすすむ」「ひだりにまがる」「みぎにまがる」などのブロックを選んで、ワークスペースにドラッグ&ドロップして置く。ブロックを整えて「実行」を押すと、キャラクターが動きだす。子どもたちは、タッチパネル対応PCを指で操作してブロックを直感的にワークスペースに配置していた。

 

ブロックをワークスペースに配置するとキャラクターが「プログラム」の指示に従って動きだす

 午前10時から12時までの約2時間と長時間だったにもかかわらず、体験しながら学べるワークショップ形式だからなのか、子どもたちは集中力を切らすことなく、ひとつひとつ課題をクリア。授業が終わるころには「繰り返し」を含む複雑な「プログラミング」ができるようになっていた。

 

一人1台ずつPCを使ってプログラミングを体験した

 「今日、授業を受けた生徒の中の約6割が将来、プログラミングを使った仕事をしているでしょう。すべてのものがインターネットにつながる時代に、これまでにはなかった新しい仕事を作っていくのは間違いなく君たちだ」と語った宗像プレジデント。小学生が楽しみながら簡単に体験できる「プログラミング教室」には、厳しいPC販売市場を活性化するための大きなヒントが隠されている。(BCN・細田 立圭志)