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伸び率ならアップルを超えたHTC! 「HTC J One」がユーザー満足度1位に

特集

2013/11/26 18:01

 スマートフォンの最新モデルが続々と発売になり、売り場は華やいでいる。スマートフォンを選ぶとき、iOSにするか、Androidにするかは悩みどころ。スマートフォンが出はじめたばかりの頃、洗練されたiOSのiPhoneに比べると、Android端末はややもの足りなく感じたものだった。だが、いまやAndroid端末は大きく進化し、ハイスペックになっている。スペックだけをみれば、iPhoneを越えているといってもいい。そんなAndroid陣営の先頭を走っているのがHTCだ。

HTC J One HTL22

HTC J One HTL22

 少し話がずれてしまうが、スマートフォンにまつわるある事件を紹介する。銃で撃たれたものの、胸元に忍ばせておいた物のおかげで無傷だった――そんな映画やドラマのようなことが現実に起こった。

 10月30日、米国のニュース専門チャンネル、CNNが、銃を持った強盗がガソリンスタンドを襲撃した事件を報道した。襲われた店員はほぼ無傷ですんだのだが、驚いたのはそのてん末だ。強盗は店員の胸に向けて発砲したのだが、その銃弾は胸ポケットに入れていたスマートフォンに当たった。スマートフォンが、店員の命を守ったのだ。インターネット上でも話題になったので、覚えている人も多いだろう。店員が胸ポケットに入れていたスマートフォンは、HTCの「HTC EVO 3D」だった。

HTC EVO 3D ISW12HT

HTC EVO 3D ISW12HT

 「HTC EVO 3D」は、日本では2011年10月にauから発売された。銃弾を止めた強靱なメタル素材は高級感も醸し出しているが、実は金属をスマートフォンに用いるには技術的な壁があった。スマートフォンは、通信電波をはじめ、Wi-FiBluetoothなど、電波を発するさまざまなアンテナを内蔵している。そのため、ボディに金属を用いると干渉が発生しやすくなる。しかしHTCは、技術者の創意工夫によってその問題を解決した。クリアが難しい条件であっても、それを乗り越える技術力――それが、HTCのこだわりだ。

専門メーカーならではの先見の明、HTCは常に先頭を走る



 HTCは、世界で展開するスマートフォンの専門メーカー。常に市場の半年先、1年先を見据えて製品を開発し、市場をリードしている。例えば、2008年には世界で初めてのAndroid搭載スマートフォン「HTC Dream(T-Mobile G1)」世に送り出した。

HTC Dream

HTC Dream

 日本市場では、いまやあたりまえになっているテザリング機能を初めて搭載した「HTC EVO WiMAX(ISW11HT)」を2011年4月に、デュアルコアCPUを採用し、前述の銃弾を止めたメタルボディを採用した「HTC EVO 3D(ISW12HT)」を11年10月に発売した。

「HTC EVO WiMAX ISW11HT」と「HTC EVO 3D ISW12HT」

「HTC EVO WiMAX ISW11HT」と「HTC EVO 3D ISW12HT」

 HTCが取り入れた最新技術や機能は、その半年後から1年後には、市場のスタンダードになっている。スマートフォン開発の最先端にいて、まさに未来を先取りしているメーカーなのだ。

HTC J butterfly HTL21

HTC J butterfly HTL21

 最近では、人気アイドルグループの乃木坂46がテレビCMに出演した「HTC J butterfly(HTL21)」が記憶に新しい。それまでのグローバルモデルではなく、日本をターゲットに開発したモデルで、日本市場初のフルHDパネルとワイドで明るいレンズを搭載した。「HTC J butterfly」はauファンの心を一気につかみ、発売直後の12年12月から5月まで、auスマートフォンのランキングで「iPhone 5 16GB」「iPhone 5 32GB」に次ぐ3位をキープし続けた。つまり、Android端末としては6カ月連続の1位だったことになる。

auスマートフォンの機種別販売台数シェア推移


 HTCの伸び率も著しい。「BCNランキング」の2013年10月の月次データではスマートフォン市場全体の販売台数伸び率が109.8%、今年ドコモが加わり3キャリアでiPhoneを販売するアップルが135.9%なのに対してHTCは162.4%と大きく伸びている。

音質とカメラ性能にこだわった2013年夏モデル「HTC J One HTL22」



 そんなHTCが、auの13年夏モデルとして投入したのが「HTC J One HTL22」だ。強烈な印象を受けるのは、そのデザイン。ボディはアルミ削り出しで、持ったときの重量感が手にフィットする。カラーはレッドメタル、ホワイトメタル、ブラックメタルの3色で、いずれも高級感が漂うマットの落ち着いた色合いだ。ディスプレイには、4.7型のフルHD液晶を採用。ベゼルが目立たないデザインで、大画面ながらすっきりとした印象だ。

HTC J One HTL22

HTC J One HTL22

 前モデルの「HTC J butterfly」は、液晶画面の画質とカメラ性能に注目して高性能化したが、新モデルは音に注目した。一般的なスマートフォンは、大画面を確保するためにスピーカーを本体の側面や背面に配置している。しかし、これだとユーザーがいる前方に音がストレートに届かない。特に背面スピーカーはきょう体を通して音が鳴るので、こもった音が耳に届く。

 「HTC J One」は、「HTC BoomSound」を採用したデュアルフロントステレオスピーカーを前面に配置。障害物がなく、音を視聴者に直接届ける。さらに、アンプを内蔵しているので、ボリュームを上げても音割れすることなく、クリアな高音と迫力のある低音を楽しむことができる。

デュアルフロントステレオスピーカーを配置

デュアルフロントステレオスピーカーを配置

 世界的オーディオメーカーであるBeats Electronicsの「Beats Audio」に対応し、動画や音楽など、すべてのサウンドを高音質にできるのもポイントだ。すでに、イヤフォンを使わずに音楽や映画、ゲームを楽しむユーザーの心をがっちりつかんでいる。

「Beats Audio」がサウンドをチューニング

音楽や動画を再生すると、「Beats Audio」がサウンドをチューニングする

 カメラにもこだわりがある。「HTC J One」のカメラの画素数は400万画素。1000万画素を超える最近のスマートフォンと比べると、画素数はかなり低い。

 HTCは、画素数ではなく画素のサイズに着目。画素数を少なくする代わりに、一つの画素を大きくした「UltraPixel」技術を採用し、画素の感度を上げた。例えば1300万画素のカメラと比べると各画素の感度は3倍以上。従来に比べて、暗い場所でもノイズの少ないクリアな写真を撮影することができる。

 画素数は下がったが、実際に使うと、もの足りなさはまったく感じない。フルHDディスプレイの画素数はおよそ210万画素だし、400万画素あればL判写真の印刷にも十分耐える。かえって、ファイルサイズがコンパクトになるので、メールに写真を添付したり、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで写真を共有したりする際の転送のストレスがなくなる。さらに、F2.0の明るいレンズを採用。「HTC J One」のカメラは、現行のスマートフォンのなかでは、暗所での撮影にかなり強いといえる。

暗い場所でも手ブレなく撮影できる

暗い場所でも手ブレなく撮影できる

 ソフトウェアにも注目したい。「HTC J One」は、撮影ボタンを押す1秒前からの4秒間に20枚の写真と3秒のフルHD動画を記録する「HTC Zoe」モードを搭載する。20枚のなかからベストショットを保存できるだけでなく、複数の人が写っている写真で全員が笑顔になるように合成したり、連続写真を合成したりと、今までにないカメラの楽しみ方ができる。

 今年の7月、夏モデルを対象に仕事マッチングサービスのエニタイムズが「スマートフォンに関するアンケート」調査を行った。その結果、「HTC J One HTL22」が「iPhone」、「Xperia」「GALAXY」などを抑えてユーザー満足度1位に輝いた。なかでも「(動作の)サクサク度」、「画質のきれいさ」で高い評価を受けていた。

 「HTC J One」は、軽快な動作と、映像や音声、カメラを楽しむエンタテインメント性を追求した端末だ。高い技術力で、ユーザー本位の製品開発を進めるHTC。使い勝手を重視しバージョンアップしているHTC独自のHTC Sense。スマートフォン選びに迷ったら、HTCの製品を手に取って、じっくり試してみよう。その真価がわかるはずだ。(フリーライター・星政明)


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