エアコンに次いで年間消費電力量が多い家電の冷蔵庫。24時間365日通電しているので、エアコンや照明などと違って使用時間を短くすることができない。節電には、日々の使い方の見直しが必要になる。その方法を紹介しよう。


(1)エアコン編から読む

設定温度は「弱」、夏場でも「中」



 冷蔵庫とエアコンの節電方法は共通する点が多い。その一つが、ムダな冷やしすぎを抑えるということ。まずは温度設定を最適にすることから始めたい。以前は、室内の温度に合わせて夏場は「強」に、冬場は「弱」に設定することが推奨されていた。しかし、いまはエアコンが普及して室内の温度がそれほど大きく変化しない環境なので、夏場は「中」、それ以外の季節は「弱」に設定するといいだろう。

 また、冷蔵庫自体に熱がこもってしまうと、それを冷やそうとしてよぶんな電力を消費してしまう。熱を放出する背面や側面は、熱が逃げやすいように、壁から5~10cmほど離して設置したい。また、天板も放熱しているので、冷蔵庫の上にはなるべく物を置かないようにしよう。

冷蔵庫は詰めすぎ×、冷凍庫は詰めて○



 設定温度を調整するほか、食品の収納にもポイントがある。冷蔵庫に食品を詰めすぎると、冷気の吹き出し口をふさいでしまったり、冷気がうまく循環しなかったりして効率が悪くなり、消費電力が上がってしまう。冷蔵庫に食品が詰まっている状態は半分がベスト、多くても7割程度だ。逆に冷凍庫は、すでに凍った冷凍食品同士でお互いに冷やし合うので、詰まっていたほうがいい。

 停電など、万が一のときも、なるべく冷蔵庫のドアを開けないようにすれば、3時間程度は冷気を保っていられる。肉や魚などの生モノが心配なら、保冷材や蓄冷板で挟んでおくと、より安心だ。

2009年を境に省エネ性能がアップ、買い替えで電気代が半分以下に



 冷蔵庫の省エネ性能は、年を追うごとに高まっている。とくに2009年の家電エコポイント制度が始まる直前には、メーカー各社が複数のセンサを使った温度管理機能やエコモード機能の搭載など、省エネ性能の向上に力を入れた製品を発売した。

 5年以上前のモデルと現行モデルを比較すると、電気代は半分以下になり、冷蔵庫を買い替えても、電気代の差で数年でもとが取れるケースが多い。例えば、三菱電機の2005年モデル「MR-G50J」(495L)から2010年モデル「MR-E52S」(520L)に買い替えると、年間消費電力を約64%削減することができる。電気代にすると1万7820円から6380円になり、約1万1440円の節約になる。

消費電力量、電気代などの比較(省エネ製品買い替えナビゲーションサイト「しんきゅうさん」で比較)

 買い替えだけでも節電になるが、より節電効果を高めたいなら、「省エネ」をうたったタイプがオススメだ。省エネタイプは500L前後の大型モデルがほとんどだが、省エネタイプではない小型モデルより消費電力が少ないケースが多い。小型モデルは電気代がかからないと思って大型モデルへの買い替えをためらっているなら、店頭で消費電力を確認しよう。

 620Lの三菱「光ビッグ MR-EX62S」は、年間消費電力量は310kWhほど。開閉が少ない時間帯には電力を抑えるなど、使い方を学習して最適な状態で運転する。九つのセンサで庫内の温度をチェックし、冷やしすぎを防ぐ。

三菱電機の「光ビッグ MR-EX62S」

 501Lの東芝「ベジータ GR-D50F」は、年間消費電力が250kWh。冷蔵と冷凍の二つの専用冷却器を搭載している。両ゾーンを最適な温度にし、冷やしすぎによるムダを防ぐ。さらに、新開発の真空断熱材で冷気を逃がさない。

東芝の「ベジータ GR-D50F」

 エアコンやテレビに比べて、冷蔵庫は常に動いているので、ふだんはあまり節電を意識しないもの。そのぶん、買い替えや使い方の工夫で節電の余地がかなり広い製品でもある。節電を意識する今、この“一生つきあう家電”の正しい省エネ法をマスターしておきたい。(フリーライター・西村敦子)