これまで空気清浄機といえば、空気中の花粉やハウスダストなどの汚れを除去するものというのが常識だった。しかし、今年は新型インフルエンザの影響で、シャープの「プラズマクラスター」をはじめとするウイルス除去をうたった製品が注目を集めている。そこで、各メーカーの抗ウイルス機能の特徴と製品の選び方について紹介しよう。

プラズマクラスターとは? イオン発生タイプと内部除去タイプの違い



 各メーカーのウイルス除去機能は、イオンを使って本体の外で除去するタイプと、本体内部で除去するタイプに大きく分かれる。シャープとパナソニックの製品は、部屋にイオンを放出して浮遊するウイルスを空中で分解。加えて、ハウスダスト等を吸い込んでフィルターで除去するダブル浄化方式を採用している。

加湿空気清浄機 シャープ「KC-Y45」とパナソニック「F-VXE40」

 シャープのイオン技術は、CMなどでよく聞く「プラズマクラスター」。自然界にあるのと同じ+とーのイオンを、プラズマ放電により作り出して放出する。部屋に広がったイオンは、浮遊するウイルスに付着。分解して、ウイルスを水として空気中に返す。

+と-のイオンがウイルスを分解するイメージ

 パナソニックは、水に高電圧をかけることで、空気イオンに比べ約6倍寿命が長い「ナノイー」という水に包まれたイオンを生成して放出。こちらもシャープの「プラズマクラスター」と同じ仕組みでウイルスを分解する。

「ナノイー」がウイルスを分解する仕組み

 ウイルスを除去する仕組みは同じだが、大手家電量販店の販売員によると、シャープの「プラズマクラスター」は脱臭力に優れ、パナソニックの「ナノイー」は、肌表面からの水分蒸散を抑えてくれるので、肌の乾燥が気になる女性にオススメ」だという。

 これらイオンを発生させるタイプは、ウイルスやカビ菌、繊維に染み込んだ臭いなどを空気中で除去し、ある程度キレイにした空気を吸い込むため、フィルターが汚れにくいというメリットがある。また、加湿機能をプラスした加湿空気清浄機を選択するとより効果的。空気が乾燥すると活発になるウイルスの活動を加湿することで抑制してくれるだけでなく、イオンの周りに水分が多く集まって、イオンを保護。イオンが長時間空気中にとどまることで、浄化スピードが上がる。

 一方、ダイキン工業の製品は、部屋の汚れた空気を吸い込み、本体内部でウイルスを分解して除去するタイプ。こちらはイオンの寿命に影響されない安定した浄化能力がメリットだ。

ダイキン工業の加湿空気清浄機「MCK75K」

 プラズマ放電により、本体内部で強力な酸化分解力を持つ高速電子を放出。高速電子が大量にウイルスに当たることで、ウイルスを分解する。加湿機能を備える機種ならば、加湿フィルターにも直接プラズマ放電を照射。フィルターだけでなく水に含まれた雑菌まで除菌し、清潔な加湿空気を届けることができる。

プラズマ放電の一種「ストリーマ放電」によって放出された高速電子がウイルスを分解

 ただし、これらの空気清浄機が除去できるのは、空気中に漂っているウイルスのみ。これだけで感染を予防できるわけではない。併せて手洗いやうがいをしっかり行い、感染のリスクを低減することが大切だ。

対応する部屋の広さとフィルターの交換目安も選択のポイント



 そのほか、空気清浄機を選ぶにあたって注目したいのは「適用床面積」。これは、タバコ5本を吸った場合に相当する空気中の汚れを、30分でキレイにできる広さを表している。よりスピーディに部屋中の空気をキレイにするためには、使用する部屋の面積よりも適用床面積が広い機種を選んだほうがいい。

製品を選択する際は、仕様の「適用床面積」をチェック

 また、フィルターの交換も重要。基本的に空気清浄機が搭載する集じんフィルターや脱臭フィルターは、汚れたら交換しなければならない。しかし、交換の目安はさまざまで、2年のものもあれば、10年間交換不要のものもある。特に交換用の集じんフィルターは5-6千円程度するので、5千円程度の違いならば、長寿命のフィルターを採用する製品を選んだ方が後々経済的だろう。

 今までは、花粉対策用の季節家電という印象が強かった空気清浄機だが、今年はどのメーカーもウイルス対策を販売のポイントにしている。今後、空気清浄機は花粉の多い春だけでなく、秋から冬にかけても注目を集めるアイテムになりそうだ。(BCN・武井美野里)