最近多発しているゲリラ豪雨をはじめとした風水害や土砂災害、大規模な地震は、いつやってくるのか予測がつかない。こうした自然災害から自分や家族の身を守るには、日頃の備えが肝心だ。9月1日「防災の日」を前に、防災アイテムや役立つサービスをまとめてみた。


自宅や職場に必ず置いておこう――非常用持ち出しグッズやUPSなど



 地震や台風などの災害が起きた時を想定して、自宅や職場に備えておきたいのが非常用の持ち出しグッズ。主な必需品は以下のとおりだが、ここではデジタル製品を中心に見てみよう。朝日電器の「GAV-303」は、LEDライトを搭載する携帯ラジオ。ライトは側面と、取っ手部分に搭載されており、白色と赤色2色の発光を使い分けることができる。電源は単3形乾電池4本だが、ハンドルを手で回して充電できる充電器としても活用可能。携帯電話を充電できるよう、コネクタも同梱するので便利だ。


 落雷などで発生しやすいのが停電。一番困るのがPCで作業中のデータが、一瞬にして消えてしまうことだ。そんな事体に、停電時でも一時的に電気を供給してくれるUPS(無停電電源装置)があれば心強い。UPS経由でPCをコンセントにつないでおけば、停電の際に電力が確保でき、PCを正常に終了するまでの時間を稼ぐことができる。停電の際に作業を続行するための機器ではなく、あくまでも正常に終了させることで、データ破損を防ぐ装置という点は、正しく理解して使用したい。APCの「BE725JP」は、本体に蓄電した電気を供給するバックアップ用のコンセントのほか、瞬間的に高い電圧が流れる「サージ」から接続機器を保護するコンセントも搭載する。

朝日電器の「GAV-303」、APCの「BE725JP」、イオタの「地震DS 72時間」

 「防災」と聞くと、「面倒臭い」「今準備しなくてもいい」と思ってしまう人も多いだろう。そんな人には、防災について楽しみながら学んで、まず意識の面から防災への備えをはじめてはどうだろう。イオタの「地震DS 72時間」は、クイズ形式で地震対策に関する知識が得られるニンテンドーDSのソフト。「72時間」というのは、地震が発生してから公的支援が届くといわれている時間。ゲームではその間、個人がどのように行動したらよいかを示してくれる。こうした「地震発生後」の行動のほか、「地震の起きる前」「サバイバル期」「復旧と再建期」の4つの時期にわけて、それぞれに最適な情報が得られる。

非常時はケータイやラジオから情報入手――災害用伝言板と緊急地震速報



 災害時に役立つ各種サービスも、あらかじめチェックしておけばいざという時に慌てずにすむ。まずは固定電話や携帯電話で利用できる「災害用伝言板サービス」から。「災害用伝言板サービス」は、震度6弱以上の地震など大規模な災害が発生した場合、「171」に電話をかければ音声メッセージを30秒まで録音できるサービス。災害発生時は被災地に電話が殺到してつながりにくくなることが予想される。これを回避するため、災害時に一時的に提供するもの。

災害用伝言板サービスの概要 ※NTTコミュニケーションズから引用

 家族や親戚、知人に自分の安否を知らせたい場合や、逆に被災地にいる大切な人の安否を確認することもできる。ただし、メッセージの録音・再生には被災者本人の固定電話の番号が必要。携帯電話やPHSの番号は使えないので注意しよう。

 一方、携帯電話のインターネット接続サービスでは、NTTドコモは「iモード」、KDDI(au)は「EZweb」、ソフトバンクは「Yahoo!ケータイ」から、災害用伝言板サービスの文字メッセージの登録・確認が可能。被災者は「無事です」「自宅にいます」「被害があります」「避難所にいます」のいずれかの安否情報を提示できる。

 家族や知人のメールアドレスをあらかじめ設定しておけば、メッセージを登録したことを自動的に通知することもできる。なお、現在はキャリア個別の登録・閲覧フォームを使用しているが、今後はキャリアを横断してメッセージを検索できるよう検討されており、より使いやすくなる見込みだ。

 これらの災害用伝言板サービスは、毎月1日と毎年1月1日から3日の正月三が日、8月30日から9月5日の「防災週間」、1月15日から21日の「防災とボランティア週間」で体験利用ができるので、一度試しておくとよいだろう。
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 震度5弱以上の地震を事前に知らせる「緊急地震速報」についても把握しておこう。緊急地震速報は、震源地近くで観測した地震波に基づき、強い揺れが予想される地域に対して地震を通知する気象庁のサービス。

 速報はテレビやラジオのほか、携帯電話、専用の受信機などで受信できる。自治体によっては防災行政無線で知らせることもある。この速報を見たり聞いたりした後に強い揺れがくるまでは、数秒か数十秒しかない。身の安全が確保できる場所にすばやく移動しよう。

7つの地域で地震が起きたことを想定して訓練する ※気象庁から引用

 ちなみに、09年は12月1日に緊急地震速報の訓練が実施される。全国7か所で大規模な地震が起きたことを想定し、10時15分頃に訓練用の速報を専用の受信機に配信する。端末を持っていない場合でも、専用キットをWebでダウンロードすれば訓練の速報を受信できる。

訓練やサービスを活用して災害に備える――徒歩帰宅訓練とゲリラ雷雨情報



 日頃の備えとして、団体や企業が提供するサービスを活用する方法もある。日本赤十字社東京都支部が毎年開催する「災害時徒歩帰宅訓練」は、東京都庁前や日比谷公園などの都心からスタートして自宅まで歩くという催し。災害で鉄道などの交通機関が使えなくなった場合、自分の足で帰宅することを想定している。

日本赤十字社東京都支部のエイドステーションと「災害時帰宅支援ステーション」のステッカー

 この訓練のメリットは、職場を想定した場所から自宅まで歩くと、どの程度時間や体力的負担がかかるのか、実際に体験できる点。訓練当日は、日赤が臨時休憩所として、ルート上に何か所か「エイドステーション」を設置する。実際の災害時には、主なコンビニやファミレス、ガソリンスタンドが休憩所「災害時帰宅支援ステーション」として機能し、水や食料の提供、トイレの貸し出しなどを行ってくれる。もし訓練に参加したら、帰宅ルート上のどこにステーションがあるのか、確認しておくとよいだろう。

 このほか、ウェザーニューズがユーザーの投稿情報を集めて提供する携帯電話向けコンテンツも便利だ。「ゲリラ雷雨メール」は、短時間で局地的に強い雨が降る「ゲリラ雷雨」の発生を、携帯電話のメールで30分前に知らせてくれる。主に法人向けのサービスだが、一般ユーザーでも利用できる。また、同社のPC向けWebサイト「ゲリラ雷雨情報」では、雲の様子をもとにゲリラ雷雨の危険度を色別に表示するサービスも提供している。

ゲリラ雷雨情報

 ウェザーニューズではゲリラ雷雨以外にも、竜巻に関する情報を得られるほか、台風の発生予測も行っている。その時々の季節にあった情報を随時チェックすれば、災害の準備として役立てられそうだ。

 防災グッズを自宅や職場に備えておくことはもちろん、こうした災害向けの各種サービスを使って情報を得たり、訓練したりしておくことも、いざという時の行動に役立てられる。9月1日の防災の日をきっかけに、一度災害について家族や身近な人と話し合って、いざという時の行動計画をあらかじめ立てておこう。(BCN・井上真希子)