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大容量時代に頼れるメモリ、最新ケータイで使える「microSDHCカード」を探る

特集

2008/08/07 20:30

 高機能化した最近の携帯電話では、大量の音楽や写真を持ち歩くのは当たり前。ワンセグも普及し、移動しながらテレビの視聴や録画までも楽しめるようになった。そんな中、気になるのが外部メモリの容量。上限2GBのmicroSDカードでは足りない! という人も多いのではないだろうか? そこでオススメしたいのが大容量の「microSDHCカード」。携帯電話の08年夏モデルでは、対応モデルが続々登場し、利用できる環境が整ってきた。そこで、microSDHCカードの特徴と対応端末を紹介しながら、音楽や写真、動画コンテンツがどれくらい「入る」のかをまとめた。

●小さいけれど大容量、「microSDHCカード」の魅力

 microSDHCカードは、携帯電話の外部メモリとして一般的なmicroSDカードの上位規格。microSDカードと同じ大きさで、指先にのるほど小さい。それでいて、大容量で高速なカードだ。microSDカードは最大容量が2GBまでなのに対し、microSDHCカードなら規格上32GBまでの大容量化が可能。さらに書き込み速度は毎秒2MB以上と高速だ。現在は、4GBと8GBのカードが市販されており、松下電器産業、アイ・オー・データ機器、サンディスクなどが販売している。


 専用の変換アダプタを使用すれば、SDHCカードとして、対応するデジタルカメラやデジタルビデオカメラで使える。デジタルカメラの場合、連写を行う際など、書き込みが遅くてシャッターチャンスを逃すといったリスクを軽減できる。


 SDHCカードへの変換アダプタのほか、コンパクトフラッシュへの変換アダプタや、カードリーダーも対応機種が出ているので、これから利用の幅が広がっていきそうだ。

●最新ケータイで対応機種多数、音楽や写真はどれくらい保存できるの?

 現在、販売されている携帯電話のほとんどは外部メモリに対応しており、主流はmicroSDカード。しかし大容量化の流れを受けて、携帯電話各社の08年夏モデルでは、NTTドコモで12機種、ソフトバンクモバイルで7機種がmicroSDHCカードに対応した。KDDIのauでは、まだ対応機種を出していないが「今後対応機種を出す可能性はある」(KDDI広報)としており、標準の仕様になりそうだ。売り場でも「今の時期に携帯電話を機種変更される方には、microSDHCカードに対応しているかを気にする方もいらっしゃいます」(東京・秋葉原の大手家電量販店店員)という声も聞かれた。携帯電話をオーディオプレイヤーとして使う人や、ワンセグで番組録画する人が増えたことで、microSDHCカードへの関心も徐々に高まっているようだ。


 そこで、録画した番組、音楽、写真は、microSDHCカードにどれくらい保存できるのか調べてみた。まず、ワンセグ番組の録画。08年携帯電話夏モデルは、NTTドコモで9機種、ソフトバンクモバイルで6機種が、ワンセグ番組の録画に対応している。2GBのmicroSDカードでは、11時間程度の録画が可能。4GBのmicroSDHCカードでは22時間、8GBでは44時間程度の録画ができる。

 携帯電話をオーディオプレイヤーとして使用する人も増えている。PCに保存したCDのデータを、メモリカードに保存して携帯電話で聴くことができる。また、「着うた」などの音楽ダウンロードも一般的だ。「着うたフル」をダウンロードすれば、携帯電話でまるまる1曲を聴くことができる。1曲あたりを約4分とすると、2GBのmicroSDカードで600曲程度の保存が可能。4GBのmicroSDHCカードでは1000曲程度、8GBでは2000曲程度の保存ができる。

 そのほか、携帯電話でよく使う身近な機能と言えばカメラだ。今や、500万画素以上の高画素カメラを搭載した機種も珍しくなくなってきた。例えば500万画素のカメラで撮った写真は、2GBのmicroSDカードで700枚程度の保存が可能。4GBのmicroSDHCカードでは1400枚程度、8GBでは2800枚程度保存できる。


 写真だけ、音楽だけを保存するなら、一見2GBのmicroSDカードで十分に思える。しかし、写真や音楽に加え、ワンセグ番組も録画して持ち歩くとなると、知らず知らずのうちに容量が増えていく。あっという間に2GBでは手狭になってしまうだろう。そこで大容量のmicroSDHCカードが必要になってくるわけだ。

●対応モデルなら、最初から大容量カードのほうがいい

 最後に、現在のmicroSDHCカード市場の動きを「BCNランキング」で見てみよう。08年7月最終週(7月28日-8月3日)のメモリカード規格別販売枚数シェアでは、microSDカードが34.4%と、メモリカードの中で最も高い構成比を占め、現在の主流であることがわかる。一方、microSDHCカードは2.2%とまだまだだ。しかし、今後au端末が対応したり、他のキャリアでも対応モデルが増えるにつれ、徐々に構成比は高まっていくだろう。

 価格も見ておきたい。7月最終週の税別平均価格は、4GBが2734円、8GBが6057円。大きなサイズのSDHCカードと比べても見劣りしない安さだ。容量を気にせず、音楽、写真、動画を存分に使いたいなら、最初から大容量のmicroSDHCカードを選んでおくのをオススメしたい。(BCN・武井美野里)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。