【フリーマガジン『BCNランキング』7/21号より転載】
PCを使うことは、さまざまな利点がある反面、
突然のトラブルで大きな被害を受ける可能性がある。
突然動かなくなって大切なデータがなくなったり、個人情報が漏れて悪用されたりすることもある。
生活に不可欠なアイテムだけに、トラブルを未然に防ぐ手段を学んでおきたい。

便利な反面危険と隣り合わせ
 メールやインターネット、画像・音楽の管理などができるPCは、もはや生活必需品。ただ、便利な一方、大事なデータがたくさん入っているので、トラブルなどで取り戻せなくなった場合の被害は大きい。PCは使えば使うほど、障害が起きる可能性は高い。安全と思っていても、常にトラブル発生と隣り合わせだ。障害の内容や原因は多数あり複雑。障害が発生した場合、その回復にはたくさんの手間と時間、お金がかかることがある。
 そこで、突然の障害に備えてぜひとも覚えておきたいのが、トラブルを回避するための予防手段。トラブルが起こる原因と、その事前対策方法を学んでおけば未然に防ぐことができる。「PCのトラブルを未然に防ぐ」ための手段を身に付けておこう。

コンピュータウイルスとよばれる不正プログラムは、ユーザーが知らない間に勝手に侵入してくる。侵入方法はさまざまで、初心者は気づきにくい。伝染するので、自分だけの被害ではなく、友人や仕事関係者などさまざまな人に大きな迷惑をかけることもある。
画面に見慣れないメッセージが表示されたり、操作していないのに勝手にメールを送信したりする。最悪のケースはPCが使えなくなることがある。PCに登録したアドレスを使ってウイルスに感染したメールを勝手に送信し、他人に迷惑をかける可能性がある。
ふだんと同じ操作をしているのに、突然こんなメッセージが表示されることがある
アンチウイルスソフトというウイルスを見つけて駆除するソフトの導入で防ぐことができる。多数のメーカーが販売しているが、ほぼすべてのメーカーのソフトが、自動でウイルスの侵入を監視し、見つけた場合は駆除してくれる。
シマンテック
Norton
AntiVirus 2007
年間販売本数が最も多いメーカーであるシマンテックのウイルス対策専門ソフト。ウイルスの検知・駆除に機能を絞り、PCにかける負担が少ない
■対応OS:Windows XP/Vista

PCは使いつづけると、ファイルがコマ切れになって保存される「断片化」という状態になる。これはPCの宿命で、大切に使っていても防ぐことはできない。また、起動中に突然電源を切るなどPCに負担をかける操作をくり返すと、ディスクにエラーが発生する。
断片化やディスクエラーが発生すると、データの読込みに時間がかかり、起動やソフトの動作が遅くなってしまう。動画など容量の大きいデータの読込みに、2倍以上の時間がかかる場合もある。遅くなったまま使いつづけると、最悪のケースでは動かなくなる。
断片化の様子。赤い部分が断片化したファイルで、この部分が多いほど動作が遅くなる
HDDのエラーは、Windowsの標準機能でチェックできる。[マイコンピュータ]からメンテナンスするHDDを選んで右クリック→[プロパティ]→[ツール]で起動する。断片化の回復機能もエラーチェックと同じ画面から操作できるが、専門ソフトの導入も手段の一つだ。
相栄電器
Diskeeper 2007
デフラグとエラーチェックに特化したソフト。実行する時間を指定しておけば、自動で定期的にメンテナンスするため、手間が少ない
■対応OS:Windows 2000/XP/Vistaほか

スパイウエアとは、個人情報を盗み出す不正プログラム。不適切なサイトを閲覧したり、インターネットブラウザのセキュリティ設定を低くしていると侵入してしまう場合がある。PCにほとんど負荷がかからないため、ユーザーは気づきくい。
ネットショッピングや会員登録などで個人情報を入力した人は注意が必要。覚えのないメールが届くようになったり、ダイレクトメールが増えたりする。クレジットカード番号を入力した経験がある人は、知らない間に買い物されて金銭トラブルに発展するケースもある。
検出されたスパイウエア。1日にこれだけのスパイウエアが侵入してしまう場合がある
侵入されたことや、個人情報が盗まれたことにも気づきにくいため、専門ソフトの導入は必須。ウェブブラウザのセキュリティ設定を最高レベルにすればいいが、そうすると毎回メッセージが出て、使い勝手が悪くなる。ベストはやはり専門ソフトの使用だ。
トレンドマイクロ
ウイルスバスター
2007 トレンド
フレックス セキュリティ
ウイルス対策機能に加えスパイウエア検知・駆除機能も備える。付加機能として詐欺サイトへのアクセスを遮断する
■対応OS:Windows 2000/XP/Vistaほか

落下などでHDDやメモリ、CPUなどの部品が壊れたケースや、水をこぼしてしまったなど物理的な障害を与えてしまった場合。PCは膨大な部品でつくられた精密機器であるため、他の家電よりも物理的な障害に弱い。水をキーボードに数滴こぼしただけでも致命的だ。
被害状況によってさまざまだが、大抵の場合正常な動作環境に戻らない。PCから異音が発生し、何も対策しないで利用していたら、突然青色の画面になって起動しなくなるケースがある。大切な写真データや文書、操作設定が全部なくなってしまう。
この画面が表示されてしまうとPCが立ち上がらなくなる可能性が高い
いつPCが壊れてもデータは被害を受けないように準備しておくことが重要だ。そのために必要なのがバックアップソフト。設定や重要なデータを保存しておくことができ、元の環境に戻せる。復旧方法も数回のクリックで完了し、初心者でも操作に手間取らない。
プロトン
Acronis True Image
10 Home
メールやビデオ、音楽などのファイルからHDDの丸ごとバックアップまで、あらゆるモードに対応した頼もしいツール
■対応OS:Windows 2000/XP/Vista
 前ページで紹介した「Acronis True Image 10 Home」は、メールやアドレス帳、音楽、写真などカテゴリ別ファイルのバックアップはもちろん、HDDを丸ごとバックアップすることもできる。バックアップ先のメディアはCDやDVDだけでなく、USB接続のHDDやネットワーク型HDDにも対応する。バックアップデータの復旧も簡単で、ソフトをインストールせずにCD‐ROMから起動して使うことができるので手間が少ない。OS自体が立ち上がらなくても大丈夫だ。
シマンテック
Norton Save & Restore 2.0
OSが起動しなくなった場合の復旧機能を備える。バックアップファイルの暗号化も可能
ネットジャパン
PowerX Backup Platinum 3
ブルーレイディスクへのバックアップ対応。バックアップデータの暗号化も可能
アーク情報システム
HD革命/Copy Drive Ver.2.5 for Vista
操作性の高さが特徴で、OSが壊れた場合でも再起動するだけで復旧できる