<strong>――借りモノレビュー、カシオ「EXILIM ZOOM EX-Z1000」</strong><br />
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 今年5月、カシオが1台のコンパクトデジカメを発売した。薄型・軽量・コンパクトで人気の「EXILIM ZOOM」ブランドに新たに加わったそのデジカメ「EX-Z1000」は、コンパクトデジカメとしては世界で初めて、1000万を超えた画素のCCDを搭載した記念碑的なカメラである。その魅力を、実際に撮影しながら確かめてみた。

――借りモノレビュー、カシオ「EXILIM ZOOM EX-Z1000」

 今年5月、カシオが1台のコンパクトデジカメを発売した。薄型・軽量・コンパクトで人気の「EXILIM ZOOM」ブランドに新たに加わったそのデジカメ「EX-Z1000」は、コンパクトデジカメとしては世界で初めて、1000万を超えた画素のCCDを搭載した記念碑的なカメラである。その魅力を、実際に撮影しながら確かめてみた。


●「さすが10.1メガ」の表現力とスピーディーな操作感を見事に両立

 世界中に「デジタルカメラ」というものの存在価値を知らしめた1995年3月発売の「QV-10」から11年。またしてもカシオが常識を覆す製品を世に送り出した。それが1010万画素(10.1メガ)という超高精細CCDを、コンパクトなボディに詰め込んだ画期的なデジカメ「EXILIM ZOOM EX-Z1000」(EX-Z1000)だ。

 これまで、コンパクトデジカメに搭載できる小型のCCDでは、1000万画素を超える画素数にしたところで実用的ではないだろうと言われていた。ノイズが多くなったり、画像サイズの大きさゆえのレスポンスの悪さを招くだけだと考えられていたからだ。しかし、「EX-Z1000」は、1/1.8型CCDを採用しながら、みごとに美しい高精細画像を得ることに成功している。しかもカメラの動作は、まったくストレスを感じさせないほどスピーディー。

 起動は、電源オンから約1.3秒。シャッターチャンスを逃さない素早さだ。常に携行していたい薄型コンパクトデジカメにとっては、撮りたいときにすぐ撮れる起動の速さは重要なポイント。この速さならその期待に十分応えられる。面白いのは、通常の電源ボタンのほかに、撮影モードまたは再生モードでダイレクトに起動できる専用ボタンが用意されていること。もう一度同じボタンを押すと電源オフになるように設定しておくこともできる。筆者はこのダイレクト起動が気に入って、電源のオン/オフは、もっぱら専用ボタンを使っていた。撮影のリズムを邪魔しない、自然な起動方法だと感じた。

 10.1メガの画像は、当然ながら驚くほどディテールの描写が鮮明だ。その描写、階調再現は、やはり500万画素クラスのコンパクトデジカメと比べれば「別次元」といってもいい。今回の試写では、JPEGのファインモードで撮影してみたが、1枚あたりのファイルサイズは4MB前後と、さすがに大きなファイルサイズになった。それでもSDメモリカードへの撮影画像の書き込み、液晶モニタでの再生などで、「もたつき感」はまったくなかった。

 このスピードを実現するのが、「EX-Z1000」のもうひとつの心臓部ともいえる高性能デジタル画像処理モジュール「EXILIMエンジン」、ということらしい。これまでカシオが「EXILIM」シリーズで培ってきた画像処理技術が、惜しみなく注ぎ込まれているのを感じた。

 また、画素数の多さ利用して多彩な撮影も可能だ。最大サイズで撮影した画像から必要なサイズを切り出すことで、例えば、画像比率16:9のワイド画面の写真としたり、画像劣化のないズームアップ効果が得られる「HDズーム」などを利用することができるのも面白い。

●情報表示に有利なワイドタイプ液晶と細かい撮影設定が可能な点もポイント

 背面の液晶モニタは2.8型ワイド。高輝度液晶を使用しており、日中の屋外でもくっりとよく見える。バックライトは4段階で明るさ調節が可能で、かなり強い日差しの下でも撮影画像の確認に支障はなかった。

 2.8型ワイドという液晶サイズを生かして、「EX-Z1000」では、撮影情報を画面右側に「操作パネル」として集中表示することができる。画像サイズやストロボ発光状態を常に表示しておけるので、とても便利だ。ISO感度の変更やカシオでは「EVシフト」と呼ぶ露出補正も、この「操作パネル」からダイレクトに操作できる。

 撮影時に変更できる項目は、コンパクトデジカメとは思えないほど多岐にわたる。フォーカスは、AF、無限遠固定、マクロなどのほか、マニュアルフォーカスも可能。また、通常のAFからでも被写体に近づくと自動的にマクロモードに切り替わる「オートマクロ」を搭載している。ホワイトバランスは、オート、6つの固定モードのほか、マニュアルプリセットもできる。シャープネス・コントラスト・彩度についても任意に変更することが可能だ。



 他社製デジカメでは「シーンモード」などとも呼ばれる撮影モードは、「EX-Z1000」では「ベストショット」という呼び方で、オートやムービーを含めて37種類も用意されている。シーン選択は、専用の「BS」ボタンを押して「ベストショット」の項目を一覧表示させてから、十字キーで目的のシーンを選ぶ方式なので、迷わずスピーディーに設定することができる。


●最高ISO3200の高感度とカスタマイズの魅力

 「EX-Z1000」は、通常撮影ではISO400まで感度を任意で選ぶことができるが、「ベストショット」の「ブレ軽減」を選ぶか、「ブレ軽減」をあらかじめオートに設定しておくことで、手ブレしそうなシャッター速度になるとカメラが自動的にISO800まで感度アップして、シャッター速度を速くするように動作する。さらに、「ベストショット」の「高感度」を選ぶと、最高ISO3200までの高感度撮影が可能になる。高感度と高速シャッターで、手ブレと被写体ブレを軽減することができるわけだ。夜景や室内など、背景が暗く落ち込んでなりがちな状況でも自然な明るさの写真が撮れる。

 感度の高さを生かしてこれだけ多彩な撮影設定が可能なのだから、絞り優先モードや、シャッター速度優先モードといった、一眼レフに近い機能も欲しくなってくる。今後ぜひ導入を検討してほしいところだ。

 「EX-Z1000」を使ってみて、筆者は、10.1メガの超高画素を感じさせないそのレスポンスの軽快さにほんとうに驚かされたのだが、それとともに、他社製コンパクトデジカメにはないカスタマイズが可能な点も、おおいに気に入ってしまった。「EX-Z1000」は、電源のオン/オフで各種機能の設定状態を引き継ぐか、初期設定に戻すかを変更・記憶させることができる「モードメモリ」を備えている。

 例えば、ズーム位置を前回使用時の状態で起動するか、ワイド端に戻して起動するかを設定できるし、電源オフ前に使用していた「ベストショット」の状態を維持するか、「ベストショット」を解除して常に「オート」の状態で起動するようにするかといったことを、好みに合わせて細かく設定できるのである。デジタル一眼レフでもこうした変更設定ができない機種もあり、コンパクトデジカメでこれを実現したのには拍手を送りたい。ちょっとした機能なのだが、撮影目的に合わせて一番使いやすい状態にカメラを保てるので、撮影していてとても重宝した機能である。

●再び、画素数の多さで写真の美しさを求める流れ到来?

 このところ「コンパクトデジカメにおける画素数アップの競争はひとまず終わった」と言われている。だが、「EX-Z1000」を手にして撮影してみると、まだまだそうとは言い切れない予感がしてきた。なんといっても、いつでも持ち歩けるスリムなコンパクトデジカメで、10.1メガの高精細画像が撮れるという価値は高い。手ブレ、被写体ブレを軽減する技術が進歩してきた今、再び高画素化によるキレイな写真を求める動きも出てきそうだ。(フリーカメラマン・榎木秋彦)




カシオ「EXILIM ZOOM EX-Z1000」
■撮像素子:1/1.8型原色CCD
■有効画素数:1010万画素
■レンズ:F2.8ー5.4 38?114mm(35mm判換算)
■液晶モニタ:2.8型ワイド(約23万画素 960×240pix)
■サイズ:92(W)×58.4(H)×22.4(D)mm(突起部除く、最薄部19.9mm)
■重量:約139g(電池・付属品含まず)


*WebBCNランキング編集部「借りモノ」レビューとは、借りてきた製品について、個人的な体験をもとに使用感などをまとめたものです。「借物」レビューのほか、編集部員自らが購入した製品を対象とする「自腹」レビュー、社として購入した製品を対象とする「社腹」レビュー、もらい物を対象とする「他腹」レビューなどがあります。