「中国ビジネス成功の秘訣」を説く――第47回

千人回峰(対談連載)

2011/01/18 00:00

パトリック J.マクガバン

パトリック J.マクガバン

IDG 会長

構成・文/谷口一

中国ビジネス成功の秘訣

 奥田 1979年に歴史的な米中国交が樹立し、翌80年に疾風の如く中国進出を果たしたマクガバンさんの先見性とその後のビジネスの成功は、30年後の今日、改めてその判断の鋭さを世界に見せつけています。先駆者の立場から、中国でのビジネスの成功の秘訣を教えてください。

 マクガバン 個人的に友情関係をつくり、相手に敬意を表すことに尽きます。それが非常に重要です。日本は中国との間に嫌な過去の歴史がありますが、中国には新しい世代がどんどん台頭してきています。手紙を送り、メールを送って、個人的に信頼関係を築いていけば、必ずスムーズなビジネス関係ができてきます。

 奥田 敬意を表すですか。人づき合いの基本ですね。何かそこにマクガバンさんの成功の秘訣を感じます。今、世界の90か国でビジネスを展開されていますが、とくに中国での伸びがすごいようですね。

 マクガバン 中国では60の出版物、35のサイトを展開しています。コンシューマ向けの出版物でいいますと、中国では返品がありません。売り切りです。ですから、マージンも多くとれます。

 奥田 そうですか。中国では書店からの返品がないのですか。

 マクガバン そうです。日本の書籍流通とはそこが大きく違いますね。

 奥田 中国での売上高はどの程度なのでしょうか。

 マクガバン 売り上げ面でいえば、中国はアメリカに次ぐ市場です。

 奥田 2位は中国ですか。10年後の中国をどう予想されていますか。

 マクガバン 中国市場は年に15%の伸び率を示しており、5年で2倍、10年後の2020年には今の4倍に成長します。

 奥田 一方、アメリカのIT市場はどうでしょうか。

 マクガバン だいたい年率4~5%の伸びになると思いますから、10年後には今の2倍ほどになると思います。

 奥田 その時、中国とアメリカ市場はどうなっているのでしょうか。

 マクガバン 今、中国のIT市場はアメリカの40%くらいの水準にあります。ということは、10年後には、中国市場はアメリカを追い越して20%上にいることになります。

 奥田 う~ん、10年後にはそうなりますか。

 マクガバン 中国では4億人がインターネットにはまっていて、4億5000万の人がワイヤレスを使っています。ですから、モバイルのチャンスもあります。モバイルを経由しての情報提供とウェブ経由の情報提供が有効になってくると思います。

 オンラインの比率がますます増えていきます。用紙代や印刷費用のリスクがないですから、収益率も当然上がります。

 奥田 最後にIDGの強さの秘密をお聞かせいただけますか。

 マクガバン まず、外に出て、そしてお客様のニーズは何かを徹底的にリサーチすることです。ユーザーを調査して、変化やニーズを感じて情報をキャッチし、また情報提供方法としては何がいちばん適しているかを常に考えてきました。強さの源はそこにあると思っています。

 奥田 今日はお忙しいなか、ありがとうございました。

 マクガバン ぜひ、今度ボストンに来てください。4kgのロブスターを一緒に食べましょう。

「マクガバンさんには、会うたびに教えられる」(奥田)

(文/谷口 一)
【奥田のモノローグ】
 マクガバン氏のビジネスに対する考え方は、「顧客の成功のためには、可能なことはすべて実践する」という思想にある。また、世の中の流れをみて、ベストの情報提供方法は何かを、常に考え続けてきたところに成功の要因がある。新聞か雑誌かイベントか…。会うたびに教えられる。

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Profile

パトリック J.マクガバン

IDG会長 1964年、インターナショナル・データ・グループを創業。1982年、日本にIDG Japanを設立。現在、世界90か国で300以上のIT関連の情報紙・誌を発行、400以上のサイトでIT関連情報を発信中。IT関連の展示会/イベントなども運営している。

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