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「行列の店」賞賛から一転 離れて過ごそう「ソーシャルディスタンス」

 全国の家電量販店ECショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」をもとに速報値としてまとめた、20年4月1~7日のデジタル家電全体のネット/リアルの販売金額前年同月比をみると、4月6日、7日のみ、リアル店舗でも前年を上回った。直前の土日2日間がマイナス、逆に平日2日間がプラスという結果から、消費者の購買行動の変化がうかがえる。また、期間を通して、ネット購入は前年より伸びている。


 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛要請を受けて、「ソーシャルディスタンス(Social Distance、社会的距離)」という新たな概念が登場した。ハッシュタグを付与した「#ソーシャルディスタンス」の啓蒙と推進を目的としたロゴを作成した月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」を運営するエアークローゼットの説明を引用すると、「人と人との物理的距離をとって、感染拡大を防止する行動指針」であり、具体的な目安は約2mという。
 
ソーシャルディスタンス啓蒙ロゴを作成したエアークローゼット

 この離れるべき物理的距離はかなり広く、これまで礼賛されてきた「行列の店」の行列を真っ向から否定する。山積みのワゴンセールに大勢が一度に集まる行為もソーシャルディスタンスに反するという点でNGだ。

 エアークローゼットは、「まずは極力人と人との接触を避け、止むを得ず周囲に人がいる環境の場合はお互いに距離をとるように心がけましょう」と呼びかけている。ソーシャルディスタンスに賛同する他社も同様に呼びかけており、もともと他人とは密接に関わりたくない、レジ待ち・入店待ち行列や満員電車は大嫌いという向きには、この行動指針は馴染みやすく、新たなマナーとして定着するかもしれない。
 
ソーシャルディスタンスに賛同する各社

 新マナーでは、人の密集状態を避けるべきことになり、売り場づくり・イベント運営など、影響は多方面に及びそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。