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台風19号の上陸前日、モバイルバッテリの販売数量が8倍に急増

データ

2019/10/15 19:30

 60人以上の死亡、47の河川で決壊するなど10月12日から13日にかけて関東地方から甲信越、東北地方に甚大な災害を引き起こした台風19号。被害の全容はまだ明らかになっていない。気象庁が台風の上陸3日前の10月9日に異例の会見を行ったこともあり、直前の11日までにスーパーには、飲料水や食料、電池などを買い求める人であふれた。全国の主要家電量販店・ネットショップからPC本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集するBCNランキングでも、11日までにモバイルバッテリの販売数量が通常の祝日の8倍弱に急増した。


 データは、9月23日の祝日を1としたときのモバイルバッテリの販売数量の指数推移。台風の上陸直前の10月11日は7.85ポイントに伸びた。

 グラフを見ると、10月8日までは9月23日を下回って推移した。9月28~30日だけは消費増税前の駆け込み需要で少し上回ったが、テレビなどほかのデジタル家電の動きと比べたらおとなしい方だったと言えるだろう。

 10月9日に、気象庁が台風上陸予想の3日前にも関わらず異例の会見を開いたことで2.07ポイントに増加。1958年に大きな被害を及ぼした狩野川台風に匹敵する巨大台風という予想もあり、事前の注意喚起を行った。

 10月11日には、飛行機や鉄道各社から12日の計画運休が発表されるなどもあり、台風上陸の準備に向けて飲料水や食料を買い求める人がコンビニやスーパーなどに殺到した。

 都内の家電量販店でも平日の2~3倍の来店客が押し寄せて、防災用品やモバイルバッテリの在庫がなくなり棚が空になったり、蓄電池やカセットコンロ、ラジオなども通常の数倍売れたりした。こうした事前の防災のための購買行動が、BCNランキングのデータからも裏付けられた形だ。

 9月の台風15号で千葉県に住む多くの世帯で長期間にわたる停電が発生したことも、モバイルバッテリの購入につながったとみられる。(BCN・細田 立圭志)