新型コロナ対応で急な「在宅勤務」、売れた関連商品は?

 全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために企業が在宅勤務やリモートワークを推奨していることで、関連する商品が売れていることが分かった。3月2日週(3月2~8日)には、PCカメラが前年同週比398.8%、LANアダプター(LANカード)が119.8%と伸びを示した。


 2月24日週に政府によるスポーツや文化イベントの自粛や3月2日からの小中学校の一斉休校の要請が発表された。その直後から、在宅勤務やリモートワークに関連する商品の販売台数が急に増え始めた。

 もっとも顕著な伸びを示したのはPCカメラだ。USB接続タイプに絞り込むと、3月2日週は398.8%と昨年の4倍にアップした。最近のノートPCはカメラがデフォルトで内蔵されている機種が増えているが、より解像度が高かったり、アングルを自由に動かせるUSB接続のPCカメラが売れていると思われる。

 キーボードを打ちながらの通話や会議で必要なヘッドセットも、USB接続タイプとゲーミング用ではない一般向けに絞り込むと、3月2日週は260.0%に伸びている。

 GoogleのChromecastも190.5%と約2倍に増えている。ChromecastはテレビのHDMI端子に接続して自宅のWi-Fiネットワークにつなげると、ノートPCやタブレット端末、スマートフォン(スマホ)のChromeブラウザーやCast対応アプリで表示したプレゼンテーション資料や画像、ウェブサイト、動画などをテレビの大きな画面に映し出すことができる。
 
GoogleのChromecastも週次で2倍の売れ行きに

家庭内LAN環境の整備でバッファローが強みを発揮

 BCNランキングからは、在宅勤務の必要性に駆られて急に家庭内のネットワーク環境を整えたと思われる動きも読み取れる。それまで前年割れで動いていた商品が、3月2日週になって急に前年を上回った。
 

 例えば、LANアダプター(LANカード)。最近のノートPCにはType-CポートとUSB端子だけが搭載されて、有線LANポートが非搭載になっている機種が増えていることもあってか、LANアダプターは3月2日週に119.8%に上がっている。自宅用のLANアダプターが必要になったと思われる。

 また、有線LANの環境の実現に不可欠なLANケーブル(111.5%)や、複数のLANポートを確保するためのHUB(106.9%)、ワイヤレス環境を実現する無線LANルータ(107.7%)も前年を上回った。
 
LANカード:バッファロー「LUA4-U3-AGTE-BK」
 
HUB:バッファロー「LSW5-GT-8NS/BK」
 
無線LANルータ:バッファロー「WSR-2533DHPL-C」

 ちなみに、3月2日週にもっとも売れたLANカードとHUB、無線LANルータはいずれもバッファロー製だった。製品型番はLANカードが「LUA4-U3-AGTE-BK」、HUBが「LSW5-GT-8NS/BK」、無線LANルータが「WSR-2533DHPL-C」となった。(BCN・細田 立圭志)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンやデジタルカメラ、4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。