ただのフライパンとあなどるなかれ! 「バーミキュラ フライパン」の実力は?

レビュー

2020/05/15 18:00

 外出自粛が続くなかで、自宅で食事をする機会が多くなり、調理道具が気になってきている人も増えているのではないだろうか。そんな需要もあってか、愛知ドビーの新商品「バーミキュラ フライパン」が予約開始からわずか1か月で2万台を超えるヒット商品となっている。

4月21日に発売した「バーミキュラ フライパン」の実力を試した

 「世界一、素材本来の旨みを凝縮するフライパン」を目指して作られたというこのフライパン、24cmタイプが1万6280円、26cmタイプが1万6830円と価格もなかなかのもの(いずれも税込)。それでいてこれだけ売れているのにはいくつかの理由がある。一体どんなところが一般的なフライパンと違うのかご紹介しよう。

約10年をかけて調理性能と使いやすさを追求

 愛知ドビーはこれまでも「鋳物ホーロー鍋」が料理好きの間では広く知られた存在だった。同社が手掛ける「バーミキュラ フライパン」の最大の特徴は「エナメルサーモテクノロジー」だ。水が馴染みやすい特殊な性質のホーローと、蓄熱性が高い鋳鉄を組み合わせることで、余分な水分を一瞬で蒸発させて、旨みを凝縮する。たとえば、もやし炒めなどの水分が出やすい食材の場合も、水分を瞬時に蒸発させて、旨みを内部に閉じ込める。
 
野菜炒めはプロが作ったような仕上がりになる

 もちろん、これまでも鋳物ホーロー製のフライパンはあったが、重くて扱いにくいという課題があった、しかし、バーミキュラ フライパンでは最薄部の厚みが約1.5mmとなっており、重さは26cmタイプが約1.1kg 、24cmタイプが約1.05kgと軽量化されている。
 
ハンドル部は削り出しのウッドハンドルで持ちやすさを追求

 ステンレス製のフライパンをメイン使いしている筆者からすると、やはり「重い」とは感じるものの、鉄製のフライパンのように持ち手が熱くなることもなく、洗剤で丸い洗いしてもいい点はかなり気に入った。

特売のステーキ肉がお店クオリティに仕上がる

 外食しづらいこともあり、筆者は最近自宅でステーキを焼くことが増えている。しかし、ステンレス製のフライパンでは、どうも満足いく仕上がりではなかったのが事実、そこで、バーミキュラ フライパンで肉を焼いてみたところ、これまでのステーキとは大きく異なる仕上がりになり驚いた。
 
弱火で加熱してもほどよく熱が通る

 ステンレス製のフライパンでは生焼けだったり、パサつきがちだったりしたステーキが、弱火で加熱しているのに程よく火が通った絶品ステーキに生まれ変わったのだ。特売のステーキ肉なのに肉の旨みもしっかり感じられ、火入れの重要性を改めて痛感した。
 
特売のステーキ肉ですら、絶妙な焼き加減が実現するのでグッとおいしくなった

 せっかくなのでチャーハンも作ってみた。こちらも中華屋のようなパラパラごはんに。これまで家で作るチャーハンは”手抜き料理”のひとつだったが、これだけおいしく作れるなら”ごちそうメニュー”に昇格しそうだ。
 
余ったステーキ肉を細かくカットしてチャーハンの具にした。
ごはんが固まりにくく、短時間でさっと作れる

 ステンレスのフライパンとの使い方で大きく異なるのは、最初にしっかり予熱してから使う点だろう。また、強火で使うと取っ手が焦げるので、火加減には注意が必要。それ以外はあまり違いはなく、丸洗いできるのはもちろん、ガスだけでなくIHやハロゲンなどの熱源でも使える。
 
ステンレスのフライパンと違い、最初にしっかり予熱する必要がある

 長く使い込んでホーローが剥がれたり、木製の取っ手が傷んできたときに、リペアサービスが利用できるという点もバーミキュラ製品の大きな魅力だ。長く使い込むことで愛着が持てるので、自分だけのフライパンを育てる楽しみがあるのも人気の理由だ。(TEKIKAKU・今西絢美)