競合ひしめく動画サービス市場、注目の4サービスを調査

アナリスト調査レポート

2017/12/06 14:08

 インターネットやモバイル端末の普及により、映像コンテンツはいつでもどこでも自由に視聴できる環境が整った。一方で、コンテンツを提供する動画サービス事業者は増加し、現在では飽和状態になりつつある。各事業者は他社と差別化を図り、独自の優位性があるサービスを提供する必要があるのだ。そのなか、近年では地上波放送のように、放送・配信時間があらかじめ決められている動画サービスが登場し、注目を集めている。株式会社BCNは2017年6月、「AbemaTV」「DAZN」「LINE LIVE」「スポナビLIVE」の4サービスを「ネット放送サービス」と位置づけ、いずれかの利用者1000名を対象に調査を実施。利用の意識や経緯を探った。


 対象の4サービスは先に述べたように、放送・配信時間は決まっているが、万が一見られなかった場合でも見逃し配信がされている(サービスによっては一部のみの公開)のも1つの特徴だ。そこで「リアルタイムで見る」のか、「見逃し配信で見る」のか、利用上の意識を聞いたところ、全てのサービスで「リアルタイムで見る」という傾向が強い結果となった(図1)。特に様々なスポーツをライブ配信するDAZNとスポナビLIVEは、その比率が約8割と高く、リアルタイムで見られることをメリットと感じて利用している人が多い。
 

 これはサービスの利用を始めた理由からも明らかで、「ここでしか見られない番組・動画があるから」が全てのサービスで4割以上の回答を集め、最も高い比率となっている(図2)。この要因はリアルタイムで見られるというだけでなく、それらの番組・動画の多くは各ネット放送サービスが独占して放送・配信している点も影響している。例えば、この項目で7割近い比率となったDAZNは、サッカーJリーグ全試合の独占放映権を持っており、AbemaTVはバラエティ番組やドキュメンタリーを中心に多くのオリジナルコンテンツを制作している。

 また、スポナビLIVEは「見られる番組・動画の内容が充実しているから」という回答が4割超だ。これらを踏まえると、今回調査対象としたネット放送サービスは、独自のコンテンツを持つことで、ほかの動画サービスとの差別化ができており、さらにライブ配信を特徴としていることが各社の独自性を高めているといえるだろう。本調査では、各サービスの利用者特性を明らかにするとともに、新たな動画サービスの評価やニーズを探っている。
 

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 【BCN調査レポート】ネット放送サービスに関する調査報告書
 

https://www.bcnretail.com/research/detail/20170714_43138.html



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