パナソニックのエアコン、「高濃度ナノイーX」と特殊塗装で油分解してカビ退治

新製品

2019/10/28 18:30

 パナソニックが11月下旬に発売するルームエアコンの最上位モデル「エオリア Xシリーズ CS-X400D2」は、独自ナノイーXデバイスから噴射する「高濃度ナノイーX」が、室内機内部の熱交換器の油分を分解・低減する「新・内部クリーン」機能を搭載。熱交換器の表面を特殊塗装する「ホコリレスコーティング」と合わせて、エアコンの清潔さに徹底してこだわる。

パナソニックの「エオリア Xシリーズ CS-X400D2」

 パナソニックが1220人を対象に行った調査では、エアコンの設置場所で最も多いのはLDKで86%となった。LDKでは、近年の間取りで主流であるリビングに併設されたオープンキッチンが増えている。そのため、油分が以前よりもエアコンに吸入されて、ホコリの付着と合わさってカビの栄養源となっている。

 高濃度ナノイーXは、従来のナノイーXの2倍となる毎秒9兆6000億個のOHラジカルなどを放出する。この高濃度ナノイーXを冷房や除湿、暖房運転の後に室内機にたっぷり充満させることで油分を分解する。油に含まれる水素(H)をOHラジカルが抜き取ることで水(H2O)となって、油が分解される仕組みだ。
 
ナノイーXの2倍の能力の「高濃度ナノイーX」

 実際に製品発表会で実施したデモでは、油に高濃度ナノイーXを噴射。数秒で油が分解される様子を明らかにした。
 
高濃度ナノイーXが油を分解するデモ

 別の試験では、ホットプレートで熱くなった油を揮発させて、エアコンの送風運転で吸引した上で疑似花粉を吸引させて熱交換器に油分を付着させる。それを100回繰り返した上で、新・内部クリーン機能搭載のエアコンと、非搭載のエアコンを比較した。

 この結果、新・内部クリーンを働かせたエアコンの油の主成分の残存率は最大41%低減したという。
 
新・内部クリーンなし(左)とあり(右)の比較

油を洗い落とす「ホコリレスコーティング」

 また、パナソニックの独自技術として、熱交換器の表面に親水撥油性と防サビ効果のある特殊塗装を施した「ホコリレスコーティング」のデモも実施。ホコリレスコーティングしたものと、コーティングしていないサンプルに油とホコリを散布して水を流してみると、ホコリレスコーティングをした方は、じょうろから流した弱い水にも関わらず汚れが落ちるのがわかった。
 
ホコリレスコーティングあり(左)となし(右)の比較

 一般的な熱交換器は大きな一枚の金属板の表と裏をコーティングしているが、プレス処理した切断面はコーティングしていない。ザラザラしたカット表面は、さらに油分やほこりが付着しやすく、熱交換器のホコリの75%がその断面に付着するという。パナソニックは、プレスして熱交換器に組み立てた上で、その切断面の表面もコーティングしているのだ。

 高濃度ナノイーXで分解した油は、表面がホコリレスコーティングされた熱交換器に付着することが少なく、カビを抑制でき、いつも清潔に保つことができる。

 ほかにも、無線LANを搭載するXシリーズでは、ウェザーニュースと連携した気象予報をもとに、部屋の汚れを予測して空気が汚れる前に空気清浄を開始したり、ユーザーの使い方を学習してフィードバックする「エオリアAI」を進化させたりしている。また、スマートスピーカーはGoogleアシスタントとAmazon Alexaにも対応する。
 
「50℃対応室外機」(右)は外気温が50.1℃でも室内機から15.2℃の冷気が吹き出している

 さらに、夏の猛暑対策として、外気温が50℃でもパワフルに冷房運転ができる「50℃対応室外機」の仕様になっている。冷房能力2.2~9.0kWまでラインアップしたCS-X400D2の価格はオープンで、税別の実勢価格は26万円前後~41万円前後の見込み。