三菱が9月1日に発売するサイクロン式クリーナー「風神 TC-ZXE30P」。従来の掃除機にはなかったまったく新しい発想の「エアブロー」機能が注目されている。一口で言えば「排気の力でゴミを吹き飛ばす」機能であるが、ユーザーのアイデア次第でさまざまな使い方ができる。ユニークな機能として話題になりそうなエアブロー機能の仕組みと使い方をレポートする。


きれいな排気で掃き掃除ができる三菱のサイクロン式クリーナー「風神 TC-ZXEシリーズ」

 下の写真にあるように、エアブローは掃除機の排気の風力を利用してゴミを外に掃き出すことができる機能だ。これから秋が深まり気になるのが、玄関のエントランスや庭に出る窓の付近にたまる落ち葉。ほうきを使って掃除をする人が多く、家庭用掃除機で掃除する人は少ないはず。そんなとき、強力なエアブローがあれば、簡単に掃き出し掃除ができる。 
 

「強」モードで風速約50メートルの風が吹き出す


「強」モードにすれば、風速約50メートルの強力な排気パワーでサッシにたまった砂ゴミもしっかり吹き飛ばしてきれいにできる


 小さな子どもを持つ家庭では、外遊びから帰ってきた子どもの靴と一緒に玄関にたまる砂ゴミの掃除に悩まされることも多いだろう。家庭用掃除機で砂ゴミを吸い込むのに抵抗がある場合も、強モードで風速約50メートルにもなるエアブローを使えば、砂ゴミを外に掃き出して玄関をきれいにすることができる。 

 窓のレールにたまりやすい砂ぼこりや網戸の掃除にも有効だ。年に数回しか掃除しない網戸などが、日常の掃除のついでにこまめにメンテナンスできるのは、きれい好きにとってうれしい。 
 

触りたくない虫も吹き飛ばして解決

 このエアブローの面白い使い方では、触りたくない虫を吹き飛ばすこともできる。サイクロン式クリーナーは、大切な指輪などのアクセサリーを誤って吸い込んでしまっても、外からチェックできるメリットがあるが、虫が見えるのはうれしくない。 

 エアブローを使えば、排気の力だけで虫を部屋の外に追い出せ、虫を手で触わって捨てる必要もないし、無駄な殺生もせずに済む。虫にとっても、やさしい機能なのだ。 

 パソコンのキーボードに詰まったほこりを掃き出したり、クリーナーのヘッドが入らない普段諦めている家具と家具のすき間掃除、静電気でほこりがたまりやすいテレビの裏側、愛車の車内掃除、エアコンのフィルター清掃に使ったりなどなど、使う人のアイデア次第でエアブローが使えるシーンは広がる。 

 エアブローの設定は簡単だ。本体前面に取り付けられているホースを外して、本体後ろの排気カバーを開けてホースを装着するだけ。ホース先端に専用のエアブローノズルを取り付けて、手元の操作ボタンを押せばノズル先端から強力な風が吹き出してくる。 
 


エアブローの設定は本体の後ろにホースを取り付けるだけで簡単にできる

きれいな排気だからこそ実現した「エアブロー」

 エアブローの開発にあたっては、主に二つの課題を克服する必要があった。一つが清潔な排気、もう一つが本体の軽量化とサイズのコンパクト化である。 

 排気の風力を利用するエアブローでは、ゴミを吹き飛ばせれば問題ないが、汚れた排気を使うことは気分が良いものではない。三菱は、独自のサイクロン技術とサイクロンボックスの構造で、遠心分離したきれいな風とサイクロンボックス内のゴミが混ざらないように集塵室を完全に分離した。排気のニオイの原因は集塵したゴミから出るからだ。 

 さらにモーター前後にHEPAフィルターとULPAフィルターを搭載して、排気を徹底的にきれいにしている。吸い取ったゴミを逃がさない度合いを示す「補塵性能」では最終捕集率99.999%を実現している(国際電気標準会議・IECの規格に準拠する、第三者認証機関のドイツ・SLGの基準による)。 

 本体重量も軽量化。3.7kgだった従来機種の「TC-ZXD30P」から2.9kgと2割も軽くした。吸引する風路構造の見直しや軽いアルミ素材を使った新モーターを採用するなどで実現している。構造の見直しを実施して軽くなったが、吸引力は落ちておらず、掃除機としての吸い込む力も間違いない。掃除機の基本的な性能である吸引力と軽さ、きれいな排気の実現が、「エアブロー」というまったく新しい掃除の提案を生み出した。(BCN・細田立圭志)