売れ筋の人気デジカメに後継機が登場! カシオ「Z450」を試す

レビュー

2009/09/09 19:10

 「BCNランキング」による、コンパクトデジタルカメラの週間売れ筋ランキング(09年8月31日-9月6日)において、ベスト5を独占したカシオ。とくに「EXILIM ZOOM EX-Z400」(以下、Z400)は、ゴールドが1位、ピンクも4位と、コンパクトデジカメの売れ筋として君臨している。その「Z400」の後継機が、8月28日発売の「EXILIM ZOOM EX-Z450」(以下、Z450)だ。限られた期間ではあったが実機をお借りできたので、早速レビューをお届けしよう。

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カラーバリエーションが増えて、さらにスタイリッシュになった



カシオ「EXILIM ZOOM EX-Z450」

 「Z450」は、8月28日にゴールドピンクレッドが、9月11日にシルバーブラウンが発売となり、カラーは全5色をラインアップしている。レッドとシルバーは、前モデルZ400」には用意されていなかった色だ。男性がレッドを、女性がブラウンを手にしたとしても、決して違和感はなく、むしろカラーが増えたことで、より個性を演出するような色選びが可能になったといえる。アクセサリー感覚で持ち歩く人も多くなっているコンパクトデジカメでは、どんなボディカラーがラインアップされているかは、ユーザーにとって製品選択の重要なポイントになるだろう。

 「Z400」から「Z450」になって、見た目に一番大きく変わったのは、内蔵フラッシュの形状だ。「Z400」では横長の楕円形だったフラッシュが、「Z450」では上広がりの台形になった。また、「Z400」では、ボディ正面の中央部がやや盛り上がっていて、そこから上部と下部に向けてなだらかに絞り込まれるようなボディデザインだったが、「Z450」では、ボディ正面はほぼフラットになっている。

 どちらかというとエレガントな印象だった「Z400」に比べて、「Z450」はスタイリッシュな雰囲気がアップしたようだ。カバンやポケットに入れて持ち歩くときに邪魔にならず、扱いやすいのは「Z450」のほうだが、反面、撮影時に指掛かりがよく、片手でもホールディングしやすかったのは「Z400」のほうだったように筆者には感じられる。

3.0型高性能クリア液晶は、晴れた日の日中屋外でも視認性は良好
背面右上には、動画撮影のための独立したムービーボタンを備えている

 ボタン類のサイズや位置は、「Z400」から大きく変更はないはずなのだが、なぜか筆者の場合、「Z450」のボタンを押し間違うことが多かった。例として、コントロールボタン中央の「SET/OK」ボタンを押すつもりが、その下の「削除/フラッシュ」ボタンを押してしまうことがあった。全体のホールディングと微妙に関係しているのかもしれないし、筆者の手がやや大きいことも影響しているのかもしれない。女性の手なら、むしろこれくらいのボタンサイズのほうが操作しやすいともいえる。とはいえ、このあたりの操作感は「慣れ」の問題だといえる。

「ピントを合わせたい位置」をカメラが自動的に探し出すAF



 撮像素子や有効画素数、レンズ構成、ズーム比など、「Z400」と「Z450」では、カメラとしてのハードの部分に大きな変更はない。重さも「Z450」が1g軽くなっている程度である。搭載する画像処理エンジンも、同じ「EXILIMエンジン4.0」なのだが、「Z450」ではそのチューニングにさらに磨きがかかっており、より高い能力を実現している。この進化をもっとも実感できるのが「Z450」が搭載する新機能、「さがしてフォーカス」だろう。

 「さがしてフォーカス」は、「Z450」を被写体に向けるだけで、撮りたい対象をカメラが判別し、自動的にピントを合わせる位置を見つけてくれる機能。すでに「顔認識AF(オートフォーカス)」は、コンパクトデジカメでは当たり前の機能になりつつあるが、「さがしてフォーカス」はそれをさらに進化させて、「顔」以外の撮影対象でも自動的にAFが作動するように、カシオが独自開発した機能なのだ。

画面内のどこに注目して写真を撮りたいのかをカメラが解析して、そこにピントを合わせてくれる「さがしてフォーカス」はなかなか優秀だ
[画像をクリックすると原寸大の写真を表示します]

 AFの設定を「インテリジェントAF」にすると、「さがしてフォーカス」が有効になる。試しに、風景や花にカメラを向けてみると、画面内で撮影者がピントを合わせたいと考えているであろう位置をカメラが推測。そこにAF枠が表示されるので、そのままシャッターを半押しすれば、AF枠の位置でピントが固定される。

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 この「ピントを合わせたいと考えているであろう位置」の検出が、なかなかよくできていて、一般的に写真を撮りたくなるような場面では、かなりの確率でヒットしてくれる。自分が思っている位置にすっとAF枠が表示されると、思わず「スゴイぞ、Z450!」とカメラを褒めたくなってしまうくらいだ。

同じく「さがしてフォーカス」を利用して撮影した一枚
[画像をクリックすると原寸大の写真を表示します]

 もちろん、撮影対象をカメラが判別しきれないためか、まったく意図していない位置にAF枠が表示されたり、AF枠自体が表示されなかったりといったケースもある。例えば、手前の大きな花よりも、奥のほうの小さな花にピントを合わせたいときとか、木々が生い茂る林の中で、端のほうのある1本の木にピントを合わせたいときなどはやや苦手のようだった。そういう場合は、AF設定を「スポットAF」に切り替え、ピントを合わせたい対象を自分でフォーカスロックするようにするとよいだろう。

カシオ独自の「ダイナミックフォト」はますますお手軽に



 「Z450」が搭載する「EXILIMエンジン4.0」の画像解析技術が真価を発揮する機能として、もうひとつ、やはりカシオ独自の「ダイナミックフォト」がある。静止画に動画を合成して楽しむ写真鑑賞の新しいスタイルで、CMでもアピールしている、いまイチオシの機能だ。合成する動画のことを「動くキャラクター」と呼ぶのだがが、この作成が「Z450」ではさらに簡単・確実に行えるようになった。

オリジナルの「ダイナミックフォト」作成では、まず、「動くキャラクター」を撮影する
ここでは、ブランコを「動くキャラクター」にしてみた

 まずは、本体背面の「BS(ベストショット)」ボタンから「ダイナミックフォト」を選択し、「動くキャラクター」にしたい、動く被写体を撮影する。次に、カメラをそのまま同じ位置に固定して、動く被写体がいない状態の背景だけを撮影する。すると、カメラが2つの画像を比較して、自動的に動く被写体だけを切り出して「動くキャラクター」に変換してくれるのである。

次に、ブランコが写らないようにして、背景だけを撮影する
先ほどブランコを撮影した写真が薄く表示されるので、
それに重なるようにして同じ背景を撮る

2枚の画像を比較し、自動的に「動くキャラクター」だけを切り出してくれる
ブランコの赤い座面だけが、「動くキャラクター」になった

 「Z450」では、前モデル「Z400」に比べて、この動く被写体の切り出しに失敗するケースがずいぶん減っているようだ。CCDシフト方式の手ブレ補正機能と相まって、けっこうラフに撮影を行っても、ちゃんと動く被写体を切り出してくれる。背景が平面で単一色の場合は、わざわざ背景だけの撮影をしなくても、1度の撮影だけで動く被写体の切り出しも可能になった。

 そして、静止画に「動くキャラクター」を合成するとき、「動くキャラクター」を配置する位置や大きさを操作できるのだが、「Z400」ではその操作範囲が限られていた。画面の端のほうにごく小さく「動くキャラクター」を入れる、といった細かな調整は難しかったのだが、「Z450」では、位置や大きさの操作の自由度が格段に上がっている。画面内のどこにでも、かなり自由に、好きな大きさで「動くキャラクター」を配置できるようになっている。

「動くキャラクター」のブランコの赤い座面を、別の静止画上に合成して、「ダイナミックフォト」を作成する。合成する位置や大きさは、かなり自由に変えることができる

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 また、恐竜や花束のイラストなど、「動くサンプル素材キャラクター」があらかじめ「Z450」の内蔵メモリに保存されており、気軽に「ダイナミックフォト」を利用できるのも嬉しい。さらに、約250種ものサンプルキャラクター(動かない静止画キャラクターも含む)を収録したCD-ROMも付属する。

 このCD-ROMには、「ダイナミックフォト」をQRコードでケータイに転送したり、「動くキャラクター」をアニメーションとして保存したりするためのソフト「ダイナミックフォトマネージャー」も収録してある。こうしたサンプルキャラクターや「ダイナミックフォトマネージャー」は、これまではカシオのWebサイトからダウンロードして入手する必要があったが、その手間もなくなっているわけだ。


 「動くキャラクター」が簡単に作れて、合成時の配置も自由度が高まって、他のキャラクターやソフトもあらかじめ揃っている「Z450」では、これまで以上に手軽に「ダイナミックフォト」が楽しめるようになっている。

ボタン1つで、風景も人物もイメージどおりの美しさに仕上がる



 また、「Z400」「Z450」の上位機種ともいえる「EXILIM Hi-ZOOM EX-H10」(以下、H10)に搭載されて好評だった「風景メイクアップ機能」が、今回「Z450」にも搭載された。

オート設定のまま、シャッターを押した通常の風景撮影
このままでも十分よく撮れている
[画像をクリックすると原寸大の写真を表示します]

「風景メイクアップ機能」の「鮮やか風景」をプラス1でオンにしてみた
海の色、島の緑、建物のオレンジの屋根、ヨットの船体などが鮮やかになっているのがわかる
[画像をクリックすると原寸大の写真を表示します]

 「風景メイクアップ機能」には、部分的に色彩を強調して印象的な風景写真に仕上げる「鮮やか風景」と、もやや霞を取り去ってクリアな風景写真に仕上げる「もや除去」の2つの機能がある。どちらも2段階で効果を強めることができるが、「鮮やか風景」と「もや除去」を同時に有効にすることはできない。

「風景メイクアップ機能」の設定画面
残念ながら、「鮮やか風景」と「もや除去」の同時設定はできない

 「風景メイクアップ機能」については、「H10」のレビューでも紹介したが、風景を撮るときには、忘れずにオンにしておくことをオススメしたい。まさにイメージどおりの風景写真になるはずだ。「H10」で使用してみて効果抜群だった機能だっただけに、下位機種にも搭載されることが期待されたが、早くも「Z450」でそれが実現した。これはおおいに歓迎したい。

通常の風景撮影。空の青さ、芝生の緑にやや物足りなさを感じてしまう
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「風景メイクアップ機能」の「鮮やか風景」をプラス2でオンにした
空の青さが鮮やかに、木々や芝生の緑がいっそう濃くなった
[画像をクリックすると原寸大の写真を表示します]
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 一方、「Z400」も備えていた「人物メイクアップ機能」は、シミやくすみを薄くなめらかにカバーして目立たなくしたり、日差しを受けてできる顔の影を和らげたりして、人物の肌をみずみずしい質感で表現できる機能。

「人物メイクアップ機能」では、メイクアップ効果のレベルを0からもっとも強い+12までの間で設定することができる

 「Z400」の女性ユーザーの中には、自分や女友だちを撮るときは必ず「人物メイクアップ機能」を使う、という人も少なくないという。男性が女性を撮るときよりも、むしろ、女性が女性を撮るときに活用しているのが、「人物メイクアップ機能」なのかもしれない。

 「風景メイクアップ機能」と「人物メイクアップ機能」は、「Z450」上部の「メイクアップボタン」を押してオンにする。メニューからの操作ではなく、専用のボタンを使った素早いオン/オフができるのはとても便利だ。

「人物メイクアップ機能」「風景メイクアップ機能」をオンにするためのメイクアップボタンは、「Z450」の上部にあり、押すたびに、人物メイクアップ機能オン→風景メイクアップ機能オン→メイクアップ機能オフ、と切り替わる

シャッターを押すだけ! 大満足の写真が誰にも撮れる



 ここまで紹介した特殊な機能も便利なのだが、「Z450」の本当のすごさは、あらゆるシーンで、シャッターを押すだけで完璧なまでに美しい写真を実現してくれる点だ。

 「このままでは白飛び・黒つぶれしてしまうのでは」とか、「逆光で人物を撮るときの露出補正は」とか、「夜景を撮影するときの基本テクニックは」とか、撮影のノウハウについて思い悩むことはまったくしなくていい。ただもう撮りたい光景に向けて、シャッターを押すだけだ。それだけで、失敗のない大満足の写真が撮れてしまうのである。

ただシャッターを押すだけで、ひまわりの花芯が黒つぶれすることも、青空が白飛びすることもなく撮影できた
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 最近、観光地などでもケータイで写真を撮っている人を多く見かけるようになった。しかし、ケータイのカメラ機能と、コンパクトデジカメでは、写真としてのクオリティがまるで違う。コンパクトデジカメで撮った写真は、感動を呼び起こす「作品」となり得るものだ。二度とない思い出の瞬間を残す写真、鑑賞することを前提とした写真は、やはりきちんとしたカメラで撮っておきたい。

 ただ、「カメラを持ち歩くのはかさばるし、撮影条件によっては、美しく撮るのが難しい」との先入観をお持ちの方も、少なからずいらっしゃるかもしれない。そういう方は、ぜひ「Z450」を手にしてみてほしい。カバンやポケットに入れて持ち歩いてもまったく苦にならないし、撮りたいシーンに出会ったら、さっと取り出して、何も考えずにシャッターを押しさえすれば、十分に美しい写真を撮ることができる。

一定間隔で霧が吹き出す仕掛けになっているオブジェ。逆光状態だが、とくに何も設定せずにオートのままシャッターを押してみた。オブジェが露出アンダーになることなく、青空の雰囲気も残る、絶妙の露出バランスが保たれている
[画像をクリックすると原寸大の写真を表示します]

 「Z400」が、売れ筋ランキングでトップの座を獲得したのも、そうした手軽さ・使いやすさと撮れる写真の美しさが高い次元で両立していることを、多くの人が評価し、支持した証といえるだろう。「Z450」は、その「Z400」の後継機としてさらに進化を遂げた一台。当然のごとく、ますますの魅力アップを果たしてくれていた。(フリー・カメラマン 榎木秋彦)


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