ミニノートPCに続けとばかりに、機能を絞った低価格なディスプレイ一体型のデスクトップPCが増えてきた。ミニノートよりはるかに大きな液晶を備え、広々とした画面で使えるのがメリットだ。この春、日本のPC市場に参入したベンキュージャパンが第1弾として投入したのも低価格のディスプレイ一体型PC「nScreen」だった。フルHD液晶を備えるモデルもあり、いろいろと遊べそうだ。そこで、Webサイトを眺めたり、写真や動画を再生したりしながら使い勝手を確かめた。

フルHD液晶の「nScreen i221」

 液晶ディスプレイやプロジェクターなどでおなじみの同社が「ディスプレイPC」と呼ぶ「nScreen」シリーズ。ラインアップは18.5型の「nScreen i91」と21.5型「nScreen i221」の2機種。とくに、21.5型モデルは解像度が1920×1080で、フルハイビジョン(HD)表示に対応するハイスペックな液晶を採用している。せっかくなので、今回は大画面の「nScreen i221」を使ってみることにした。CPUはAMD Sempron 210U(1.5GHz)、1GBのメモリ、160GBのHDDを搭載し、市場推定価格は5万3800円。ミニノートPCに近い価格帯だ。

意外にアナログな操作感、親しみやすい昭和の香り



 「nScreen」の箱に入っていたパーツは、ディスプレイ型の本体、その台、マウス、キーボード、電源コード、それに「Skype」用のハンドセット、以上たったの6つ。ハンドセットはオマケだから、パソコンを起動するだけなら5つをつなげるだけだ。

箱に入っていた6つのパーツ

 まずディスプレイを台座に取りつける。上から差して、カチッというまではめ込めばOK。続いて配線だ。デスクトップの配線は「本体とディスプレイの線が何本もあって複雑」と思う人もいるかもしれないが、さすが一体型だけあって、いたってシンプル。電源コードとLANケーブルとキーボードとマウスをつなげればおしまい。

左から電源コード、LANケーブル、マウス、キーボード

 本体裏の右下にほとんどのインターフェイスが集中していて、配線はわかりやすい。ただ、ポートが全て下向きで、線を接続する際に手元が見えにくかった。本体の右側面にもUSBポートを2基備えているので、キーボードとマウスはそちらにも接続してもいいかもしれない。

右側面にはUSBポート2基と4in1メディアスロットなどを装備

 設置してみると、キーボードとマウスがついてはいるものの、見た目は液晶ディスプレイそのもの。デザインは丸みを帯びていてフレンドリー。とっつきやすい印象だ。正面から見えるボタンはディスプレイの右下の「つまみ」1つ。このボタンで操作できることは、左右に回してボリューム調節、押して電源のオン/オフと、まるで昭和のテレビのようだ。アナログ感覚の「つまみ」に親近感が湧いた。そのほか、左側面に輝度調節のボタンを備えている。

ボリューム調節と電源オン/オフの操作ができる「つまみ」と輝度調節ボタン
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インターネット・動画・写真を大画面で楽しむ、HD動画の再生もスムーズ



 早速起動したら、ブラウザを立ち上げてWebサイトを開いてみた。さすがはワイド画面。1つだけだと左右が大きく余る感じだ。そこで、もう1つブラウザを開いてみた。狭いと感じることはまったくなく、左右にスクロールしなくても両方のサイトを閲覧することができた。右半分のブラウザでYouTubeの動画を見て、左半分のブラウザで調べものをする同時作業も快適。

2つブラウザを開いても、狭く感じない大画面

 次に、YouTubeの動画をフル画面で再生してみた。「nScreen」のグラフィックス「ATI Radeon X1200」は、高画質化機能「ATI Avivoテクノロジー」を備えており、鮮明でシャープな画像再生と遅れのないビデオ再生ができるという。そこで、最近増えてきているYouTubeのハイビジョンモード「HD」や高画質モード「HQ」で動画を表示してみた。いずれも動きが固まることはなく、スムーズに再生できた。「HQ」モードのフル画面表示なら、小さなチワワだって迫力満点だ。

YouTubeの「HQ」モードで再生したチワワ

 動画といえば、今流行なのはデジタル一眼。ニコンの「D5000」で撮影した映像を流してみた。再生したのは解像度1280×720で毎秒24コマのHD動画。こちらもカクカクすることなく、流れるように再生できた。右側面の4in1メディアスロットに、デジタルカメラのメモリカードを挿入すれば、すぐに大画面で楽しめるのも簡単でいい。もちろん写真は、メモリカードを入れるだけで大きく表示できる。


 また、デジカメの画像を整理できるソフト「デジブックブラウザ」をプリインストールしているので、Webアルバムも簡単に作れる。作り方は、パソコンに保存した写真の中からアルバムに入れたいものを選択して、タイトルなどを入力するだけ。作成したアルバムは、共有サイト「デジブック広場」で公開したり、見てもらい相手にメールで送信したりできる。遠くに住むおじいちゃんおばあちゃん、友人などに写真を見せたい時に便利だ。

「デジブックブラウザ」で作成したアルバム

光学ドライブがないのが惜しいが、家族のリビングPCとしてオススメ



 「nScreen」を使っていて1つ残念だったのは、光学ドライブを搭載していないこと。ドライブを搭載していれば、映画を再生したりCDから音楽を取り込んだりと、もっと活用シーンが広がるのだが……。なお、ベンキュージャパンは外付けポータブルDVDドライブをオプションで用意している。フルHD液晶を最大限に活かすなら、市販のBDドライブを追加してもいいだろう。

 インターネット、写真、動画など、一通りのことが楽しめて、5万3800円はかなりお手頃。個人で使うことの多いミニノートPCに対して、「nScreen」は写真や動画を再生して大勢で囲んで楽しむなど、リビングに置いて家族でシェアするのにピッタリ。パソコン初心者の子供やおじいちゃんおばあちゃん向けのPCとしても活用できそうだ。(BCN・武井美野里)


*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。