11月10日、キングジムがデジタルメモ帳「ポメラ DM10」を発売した。文庫本サイズの本体、開くとノートPC並のサイズになる折りたたみ式キーボードを搭載した「ポメラ」。どのくらい使えるのか、確かめてみた。

ポメラ DM10

本体サイズは文庫本そのもの、やや厚く、重いのが難点……



 「ポメラ」がやってきた。説明書の確認もそこそこに、さっそく取り出し、眺めてみた。リリースに書かれている通り、本体サイズは文庫本とほぼ同じ。試しに文庫本を重ねてみたら、「ポメラ」がすっぽりと隠れてしまった。横に並べて厚みを比較すると、500ページ以上の分厚い文庫本とほぼ同じ程度。ポケットに入れるには少々厚いようだ。また、手にとってみるとずっしりとした重みがあった。

ポメラと文庫本を比べてみた

 それでは「ポメラ」を開いてみる。4型液晶をまず開き、左側面にあるボタンを押すとキーボードのロックが外れる。少し浮き上がったキーボードを起こし、70-80度ぐらい起こしたら左側にスライドさせていく。ここで、無理に起こすと「バキッ」なんてことになるので、注意が必要だ。

ポメラの開き方

 キーボードが開いたら、右側を底面に固定する。「カチッ」と音がするので、ロックされたことがすぐ分かるだろう。なお、「エンターキー」のある右側底面には引き出し式の固定アームがあるので、ぐらぐらするようなら引き出して利用しよう。

たった2秒で立ち上がる、入力もスピーディーでストレス知らず!?



 準備が整ったので、起動させてみる。キーボードの右上に電源ボタンがあるので、長押しして立ち上げる。製品紹介ページでは「2秒ほどで起動」するとあったが、使ってみると長押ししている間に立ち上がる感じだ。待機画面で「pomera」のロゴが表示されるが、一瞬で編集画面に切り替わった。

 編集画面のほとんどがテキストの入力スペース。下部に小さくテキストファイル名、現在の時刻、入力モードが表示されている。なお、立ち上がってすぐに日本語が入力できるよう、入力モードは日本語に設定されている。そのため、PCのように半角英数から日本語に切り替える必要がない。急いでメモを取りたい時に便利だ。なお、変換モードはローマ字変換。

編集画面

 入力レスポンスはPC並で、打てばすぐ表示され、なかなか気持ちがいい。日本語入力システムにはジャストシステムの「ATOK」が入っているが、漢字変換の動作がPCとは少し違っていた。変換候補が複数ある場合、候補の漢字の横に数字が振られて表示される。PCの場合、数字を入力すると該当漢字に変換されるのだが、「ポメラ」で同じ動作をすると、数字がそのまま入力・表示されてしまった。候補の中から該当する漢字を選択する場合は、上下キーを使って選択する必要がある。

漢字変換画面

書き上げたテキストは自動で保存 USBケーブルを使えばPCに転送できる



 テキストは1ファイルあたり最大で8000文字まで入力できる。ちなみに、この記事の文字数が2100文字ほどなので、メモツールと考えれば充分だろう。またテキストファイルは最大6つまで内蔵メモリに保存することができる。

 メモを書き上げたら、メニュー画面から「電源オフ」か、電源ボタンを押せばすぐにシャットダウンする。また、電源を切る前に編集していたテキストは自動的に内蔵メモリに保存され、次に起動した時に続きから編集することができるので、急いでいる時には便利だ。

 ファイル名をつけて保存したテキストファイルは、USBケーブルを使って、PCに転送することができる。「ポメラ」でメモした内容を、PCで清書することもできる。

 電源は単4乾電池2本。アルカリ乾電池を使用した場合は、約20時間と、長時間駆動する。約1日保つので、あまり電源の心配をせずに使えるし、万が一電池が切れてもコンビニなどで簡単に手に入れることができるから、気が楽だ。

ポメラってどこがすごい? こんな比較をやってみた



 テキスト入力専用機として、もっとも重要になるのはキーボードだ。キーピッチ、打鍵感などにこだわりたいところ。そこでパナソニックのB5サイズのノートPC「Let's note」のキーボードと比較してみた。

ノートPCと比較してみた

 キーボードの奥行きは「Let's note」の方が広い。「ポメラ」のキーピッチは17mm、使っている間も、それほどキーが小さいとは思わなかったが、なぜ、奥行きが狭いのだろう。よく観察すると、文字入力に必要な3列のキーは「Let's note」とほぼ同じだが、ファンクションキーや数字/記号キーなどの奥2列が通常のキーの3分の2ほどの奥行きしかない。使用頻度の多いキーは大きく、少ないキーは小さくすることで、コンパクトさと使い勝手を両立させたようだ。

奥行きを比べてみた。よく見ると上2列の大きさが違う

 次に横幅を比較してみた。キーの横幅は「ポメラ」の方が広かった。また、「ポメラ」は左右のパームレストをゆったりと取っているので、パームレスト込みで横幅を比較すると、キー1つ分広くなっている。つまり「ポメラ」のキーボードは奥行きが狭く、横幅が広い構造だ。

横幅を比べてみた。パームレスト込みの幅はちょうどキー1つ分違う

 天板に光沢塗装を施して、指紋がつきやすいのは玉にキズだが、全体的に質感は上々で、予想していたよりも使い心地が良かった。液晶パネルをモノクロにし、駆動時間を確保したところもいい。ただ、メモ機能のみの「ポメラ」に2万7300円もかけられるかが、微妙なところ。メールが使える程度のインターネット機能がついたら、さらに魅力が高まるのではないだろうか。(BCN・山下彰子)



■ポメラの仕様
キーボード……キーピッチ約17mm
ファイル形式……テキスト(.txt)
パネルサイズ……4インチTFTモノクロ
メモリーカードスロット……microSD
本体サイズ……幅145×奥行き100×高さ30mm(折りたたみ時)
重さ……約370g(乾電池別)