<strong>――エプソンの画像処理ソフト「デジカメde!!ムービーシアター3」レビュー</strong><br />
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 8月もいよいよ終盤。家族や友人とともに海や山などのレジャーを満喫した方も多いだろう。こうした旅先で撮影したデジタルカメラの写真を活用する方法として、スライドショー形式にした写真に音楽を付けた「フォトムービー」というものがある。エプソンの画像処理ソフト「デジカメde!!ムービーシアター3」を使って実際に作品を作ってみた。

●思い出の写真が音楽付きの「映像作品」に!

 デジタルカメラで撮影した写真は、普段どのように楽しんでいるだろうか。PCのHDDに保存してスライドショーで見るほか、オーソドックスなやり方ではプリントした写真をアルバムに入れて閲覧する方法がある。最近では、デジタルフォトフレームを使って部屋のインテリアにする方もいるだろう。そこで紹介したいのは、デジタル写真を活用するひとつの方法として、写真と演出効果(エフェクト)、音楽を組み合わせた映像「フォトムービー」にするという選択だ。

 フォトムービーとは、複数の写真を連続してつなぎ、ここに音楽やテロップ、エフェクトを加えればオリジナルの「映像作品」が作れるというもの。エプソンの画像処理ソフト「デジカメde!!ムービーシアター3」で作成したフォトムービーは、DVDやCDに保存できるのに加え、対応するファイル形式を選択すればWeb上で公開することも可能。操作レベルの異なる2つの編集方法で、作例とソフトの使い勝手をそれぞれ見てみよう。

●写真を事前に選んでおくとスムーズ ?簡単編集?

 まず、3ステップでフォトムービーができる「簡単編集」で作品を作ってみた。「写真を選択する」「BGMを選択する」「演出を選択する」の手順で作業する。大変シンプルな編集なので、写真1枚ごとの再生時間を調節したり、テロップを入れたりすることはできない。


 1ステップ目の「写真を選択する」では、使いたい写真をあらかじめ決めていたので、下部のタイムラインに並べる際には右上の写真一覧からすぐにドラッグ&ドロップできて迷わなかった。南アルプス・仙丈ケ岳の山登りの写真なので時系列で並べた。

 2ステップ目の「BGMを選択する」で便利だったのが、同ソフトに収録するBGMに「Web公開可能なBGM」という著作権フリーの音楽があった点だ。著作権のある楽曲はWeb上で無許可で公開できないので対応を考えていたのだが、この問題は難なくクリアできた。付属するBGMのほか、手持ちの楽曲を使うこともできる。

 3ステップ目の「演出を選択する」では、「イメージクリップ」「フォトギャラリー」「デコラティブ」など5種類の演出タイプから好みのエフェクトを選ぶが、どのような見栄えになるのか画面上の小窓でイメージが表示されるので、直感的に選びやすかった。

 なお、いずれのステップでも操作にとまどったのが、次のステップに進みたい時や、前の作業に戻りたいときに使用する「つぎへ」「もどる」「完了」のボタンがどこにあるのかすぐに見つけられなかった点だ。「簡単編集」では3つのステップを行き来して自分の好みの演出に仕上げるので、ボタンのサイズを大きくするか配置を工夫するなどして、より目立たせた方が使いやすいと感じた。

<夏の仙丈ケ岳>
写真の枚数:21枚
再生時間:1分47秒
演出テンプレート:透過フレーム
BGM:Upriver
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●初心者は豊富なエフェクトから選ぶのは難しい ?こだわり編集?

 次に、「簡単編集」よりも多彩な演出ができる「こだわり編集」で作品を作った。こちらは「写真+エフェクト」の一つひとつはもちろん、テロップ、BGMの各要素の再生時間を好きなように調節できる。はじめに写真を選択する「簡単編集」と異なり、先にエフェクトを選び、後で当該エフェクトに好みの写真を配置するという手順だ。


 とにかく驚いたのはエフェクトの種類の多さ。500種類以上のパターンを揃えるので、フォトムービー初心者の筆者にはあまりに数が多すぎて選ぶのに苦労した。加えて、1つのエフェクトに組み合わせられる写真の枚数が決まっているので、こちらも作業しづらかった。同じ種類のエフェクトを連続したい場合は当該エフェクトのボックスをタイムライン上にいくつも並べなければならないからだ。エフェクトの種類によって難しいものもあるが、写真の枚数制限はない方がやりやすいと感じた。

 また、好みの問題もあると思うが、複雑で華やかなエフェクトが多く、地味でシンプルなものは探さないとなかなか見当たらなかった。今回使った写真は冬の水上温泉(群馬県)の風景なので、地味なエフェクトを選んだ。ただ、子どもやペットなど表情や動きが豊かな被写体なら、派手なものを使った方が作品が元気な印象になってよいだろう。

 テロップは、フォントの種類やサイズ・色、挿入場所だけでなく、挿入時のエフェクトも選択でき、通常の写真のスライドショーでは実現できないフォトムービーならではの演出の楽しさを味わえた。作例ではタイトルと一部の写真の解説のみに留まったが、エンドロールを入れれば作品としての完成度がより高まる。

 タイムライン上での調整で困ったのは、「写真+エフェクト」を並べる際、隣のブロックとぴったりくっついるのかそれとも間が空いているのか、視覚的に確認しづらい点だ。トラック上で右クリックして「空白時間削除」を選べば隣り合うブロックは隙間なくくっついてくれるのだが、手動でブロックを動かした場合、接触したかどうか目視ではわからなくて苦労した。またテロップと「写真+エフェクト」のブロックの頭を揃える場合も同様に、揃っているかがわかりにくかった。

<冬の水上温泉>
写真の枚数:20枚
再生時間:1分36秒
主なエフェクト:クロスフェード
BGM:Silent End

●写真のバリエーションが作品をより魅力的に

 このように、2つの異なる編集方法でフォトムービーを作成したが、「簡単編集」では、初心者でも想像以上に容易に作業できたのでとても興味深かった。一方「こだわり編集」では、初めてでも形にはなったが、趣向を凝らした作品に仕上げたいならある程度の慣れが必要だ。

 反省点としては、当たり前のことだが、写真のバリエーションが豊富だと、作品を作る側も見る側もともに楽しめるし、作品の魅力もぐっと深まるということ。今回の作例はいずれも手持ちの写真を用いて、フォトムービーを作成することを前提に写真を撮ったわけではない。したがって、「前半に登山道の様子がわかる画がほしい」「最後に水上駅舎の画を入れたい」など、こんな写真があればもっとよかったのに……と嘆いたときが作業中に何度かあった。

 フォトムービーは結婚式などのイベントのために制作することがよくある。しかし、家族や友人との旅行や子ども、ペットの成長記録など、日常の風景を気軽に撮影した写真でも充分制作は楽しめるし、作品にできる。また、家族や友人にDVDにしてプレゼントする際にも、写真のデータをそのままあげるよりはずっと喜んでもらえそうだ。この夏、思い出の写真をオリジナルのフォトムービーに変身させてはいかがだろうか(BCN・井上真希子)

※今回レビューで使用したノートPCは東芝の「G50/97G」。地上デジタル放送を試聴できる大型ワイド画面が特徴。作業エリアが広くて操作しやすい。

<主なスペック>
OS:Windows Vista Home Premium
CPU:Core 2 Duo P8400(2.26GHz)
画面サイズ:18.4型ワイド液晶
メモリ:2GB
HDD:250GB
ドライブ:DVDスーパーマルチ
GPU:NVIDIA GeForce 9600M GT