【記者のひとこと】古くて新しいソフトウェア

コラム

2021/12/15 10:00

 グループウェアの先駆的な存在である「Notes」をご存知でしょうか。30代半ばの記者は正直、触れたことも見たこともありませんでした。90年代には多くの企業で利用されていましたが、近年は「負のIT遺産」と捉える企業も多く、Webで検索してみるとリプレースの手法を紹介した記事もよく見られます。

 しかし、現状を取材すると、当初から現場の要求に合わせて柔軟に業務アプリを開発できることを目指した設計思想は決して古くなく、「内製化」なる言葉が流行る前に時代を先取りしていたようにも思えます。今ではクラウド対応などの現代的な進化も果たし、使い勝手がより高まっているようです。

 開発から30年以上が過ぎても市場から淘汰されていないソフトウェアはそれほど多くはないでしょう。その長い歴史は、プロダクトの価値が普遍的であることを表しているといえるかもしれません。

 とはいえ、やはりNotesと聞くと多くの人が「古い」と考えてしまうことは今後の大きな課題になるでしょう。歴史の厚みを生かしながらも、新しさをどう打ち出していくか。なかなか難しい挑戦となりそうです。(藤岡 堯)

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「草刈り場」とは言わせない! DX時代でこそ輝くNotesの設計思想