【記者のひとこと】「誰もぶつからない」に必要な基盤

コラム

2021/11/29 10:00

 本田技研工業は、2050年までに同社の二輪・四輪車が関与する交通事故死者をゼロにする、という高い目標を掲げています。非常に野心的にもみえますが、自動車の提供を事業としている企業としては当然あるべきビジョンといえるでしょう。

 機械学習などのAI技術によって近年、コンピューターによる画像認識やセンサーデータの分析能力は飛躍的に向上しました。「2050年に事故ゼロ」の実現ではAIをフル活用し、カメラや各種センサーから得られる情報をもとに運転リスクをリアルタイムで検出。運転者による危険の見落としなどのヒューマンエラーをゼロにすることを目指しています。

 AIに加えて、この構想を支える技術が高速なネットワークです。どれだけカメラ映像の認識技術が発達しても、見通しが悪い場所など、車から直接視認できない場所のリスクを把握することはできません。そこで同社では、他車のカメラデータや歩行者が持つ携帯端末などの情報をサーバーに集約し、物陰から人が飛び出すといった、見えない場所に潜む危険も検知できるようにするシステムを構築しようとしています。「誰もぶつからない」社会が早く実現するよう、車両の開発だけでなく、5G網をはじめとするインフラ側の整備も早く進むことを期待します。(日高 彰)

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