【記者のひとこと】リモートワークと評価制度

コラム

2021/11/11 10:00

 リモートワークを実施するにあたり、「従来のメンバーシップ型からジョブ型へと評価制度を変えなければならないのではないか」との議論が一時期盛んに行われました。職務記述書で仕事の範囲を細かく決めて評価するジョブ型でなければ、「リモートで働く従業員を正しく評価できない」という懸念から始まった議論です。

 しかし、蓋を開けてみるとリモートワークを実践した情報サービス業界で実際にジョブ型を全面的に採用したケースは極めて稀です。グループウェアやチャット、ビデオ、各種の情報共有ツールを使うことで、オフィスで働いているのと遜色ないばかりか、仕事の可視化も進むことが判明。評価制度に手を加える必然性が薄れたことがその理由です。

 今年9月に出社率50%を想定して本社オフィスの大規模刷新した都築電気も、評価制度を変更せず、リモートワークを恒常的に取り入れました。オフィスの役割を根本的に見直し、仕事の内容や目的に応じて働く場所を選ぶ方式へと移行することで生産性を一段と高められるとしています。(安藤章司)

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