【記者のひとこと】周回遅れでも

コラム

2021/11/04 10:00

 日本のデジタルトランスフォーメーションは諸外国と比べて「周回遅れ」といわれることがあります。商習慣やテクノロジーへの理解など要因はさまざまですが、その差をいかに縮めるかが今後の企業成長を左右する要素といえるのではないでしょうか。

 周回遅れ、と聞くとあまり気分がいいものではありませんが、遅れているからこそ生まれる製品やサービスもあるようです。

 プロセスマイニングツールを展開するセロニスの日本法人で社長を務める小林裕亨氏は、日本企業によるプロセスマイニングの使い方が「グローバルと比べてイノベーティブ」な面があると指摘しています。海外では先にERPが浸透し、バックオフィスでの用途が多いようですが、日本においてはサプライチェーンの可視化や不正検知などに生かす好事例が出始めているそうです。小林氏は「日本流の進化を見せている」と強調していました。

 確かに遅れは否定できませんが、遅れたからこそ、技術を水平展開し、新たな用途として展開することができたともいえます。日本で生まれたユースケースが海外へ逆輸入されることもあり得るでしょう。周回遅れでも創造力を発揮することで、プロセスマイニングに限らず、さまざまな分野で可能性を広げることはできるはずです。(藤岡堯)

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