【記者のひとこと】深夜の祭も今は昔

コラム

2021/10/11 10:00

 先週の10月5日、Windows 11搭載PCがメーカー各社から一斉に発表されました。2015年8月のWindows 10までは、新バージョン発売の度、秋葉原の電気街で「深夜発売イベント」が大々的に開催されたものですが、今回はどこにもそのような騒ぎは見られず、ごく静かな船出でした。

 新型コロナウイルスの影響で人が集まるイベントの開催が難しかったという事情はあるにしろ、それよりもマイクロソフトのWindowsビジネスに対するスタンスの変化も感じられます。かつてWindowsは単体商品とても積極的に販売されていましたが、Windows 11ではプリインストールPCまたはWindows 10からのアップグレードによる提供が中心で、Windowsという新商品にお金を払っている感覚は薄れています。

 実際にマイクロソフトの売上比率を見ても、伸び盛りなのはクラウドサービスのAzureや、サブスクリプション形態への移行が進む企業向けのOfficeなどで、コンシューマー製品も伸びてはいるものの「堅調」な水準。電気街の夜を飾る深夜のWindows発売イベントはもうこの先見られないのでしょうか。(日高 彰)

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