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電通、柔軟な新しい働き方「ライフシフトプラットフォーム」を提唱

経営戦略

2020/11/12 18:00

 電通は、個人が一企業ではなく社会に対して価値を発揮する、新しい働き方「ライフシフトプラットフォーム(LIFE SHIFT PLATFORM、LSP)」を提唱し、自社社員のキャリア設計の選択肢を増やす。

「ライフシフトプラットフォーム」のコンセプト

 LSP参加を希望する電通社員は、退職したうえで個人事業主となり、2021年1月に事業開始する新会社ニューホライズンコレクティブ(New Horizon Collective、NH社)と業務委託契約を結び、一定の業務を受託しつつ、起業したり、競合以外の他社・他団体などで働いたりできる。
 
具体的スキーム

 LSPは「安心」と「チャレンジ」の両立をかなえる新しい仕組みであり、LSPの事業基盤が確立したのちには、グループ会社や国内の他企業との連携も図る。個人事業主として働く場合、「定年」の規定はないため、自分が働けると思う年齢までずっと働き続けることができる。よって人生100年時代にふさわしい、高齢社会の課題解決につながるととらえ、電通社員有志による2018年の構想から2年以上をかけて検討・準備してきたという。

 一方、LINEは企業とユーザーの「スキマ」時間をマッチングする求人サービス「LINEスキマニ」を設立。ギグワーク市場(単発雇用サービス)参入にする。まずは21年2月24日にソフトローンチとして開始し、22年春の本格提供を目指す。
 
元電通社員が本業・本プロジェクトの傍らでギグワークする可能性も……

 ギグワークとは、企業に所属しない個人事業主として、スキマ時間に単発雇用で柔軟に働く就業スタイルで、一部の企業が採用を決定した「週休4日制」や「副業の環境整備」などを後押しを受け、市場拡大が見込まれている。

 給与所得者と個人事業主の働く処遇による税格差を改善するため、令和2年度から所得税の基礎控除・給与所得控除が改定され(基礎控除額は一律38万円から合計所得金額に応じた段階制に変更、合計所得金額2400万円以下の場合は10万増の48万円)、個人事業主として働く選択による不利益は若干減ったが、健康保険や住宅ローンの与信審査など、他の不利益は残る。電通1社の動きにとどまるのか、他の企業に広がるのか、今後の動向が注目される。