少し前から、さまざまなSNSで個人情報の取り扱いに関するポリシー変更が続いているように感じます。個人の最も日常に近い情報が集まるプラットフォームであるだけに、こういった動きはデータビジネスの本格化を予感させますね。特に、近年注目を集めているのは情報銀行。データを提供するエンドユーザーとデータを活用するサービス事業者をつなぐ新たなビジネスモデルです。

 しかし、ここで重要になるのはやはりデータの提供元である個人のコントローラビリティです。いくら還元されるメリットが大きいとはいえ、多くのユーザーは「自分のプライバシーデータを提供する相手を選びたい」と考えるでしょう。国としても、個人情報保護法をはじめとしてさまざまな法律やガイドラインを明示しており、この壁を乗り越えられるかどうかがデータビジネスのスタートラインになるといえます。

 そんな中、大日本印刷が情報銀行ビジネスを立ち上げようとしている事業者向けにデータのやり取りを容易に行えるパッケージサービスの提供を開始しました。具体的には、「生活者向け」「サービス事業者向け」「情報銀行事業者向け」と、三種類のアプリケーションを用意するもので、専用のサンドボックスでそれぞれの立場からデータの流れを検証できるといいます。

 これらのシステムは総務省と経済産業省が出している情報銀行に関するガイドライン「情報信託機能の認定に係る指針ver2.0」に遵守したもので、一定の安全性を担保してくれそうです。(銭君毅)

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