【記者のひとこと】最後の「as a Service」化

コラム

2020/07/06 10:00

 ITインフラを構成するハードウェアのうち、早々に仮想化、クラウド化が進んだのはサーバーでした。もちろん、どこかのデータセンターにサーバーの実体が格納されており、ユーザーは仮想化技術で切り出されたリソースを使用しているので、サーバー自体がこの世からなくなったわけではありません。しかし、企業のオフィスの中からサーバーが次第に消えつつあるのは近年の間違いない傾向です。専用ハードウェアとしてのストレージ装置でも、これに近い動きがあります。

 さまざまなリソースが「as a Service」化する中にありながら、今でもオンプレミスの機器として変わらず提供されているのがネットワークです。クラウドサービスを利用するにしても、手元の端末とクラウドを接続しなければいけないのですから、ネットワーク機器が必要なのは当然です。ITインフラとしては、最後まで手元に残る要素になるのかもしれません。

 しかし、クラウドやモバイル端末の普及で、ネットワークに求められる要件はここ数年で大きく変わり、高度なセキュリティや複数のネットワークの統合運用が必須になりつつあります。HPEは、Aruba(アルバ)ブランドでネットワーク製品を提供していますが、デバイスを接続するという基本的な部分以外の付加機能をソフトウェアとして切り出し、「Network as a Service」の形態で提供する考え方を強く打ち出しています。(日高 彰)

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