大手小売店の多くは、ポイントカードなどのロイヤリティプログラムで顧客の動向をつかもうとしています。しかし、ポイントカードは支払いをする際に初めてレジでスキャンされるものなので、顧客が「何を買っているか」は把握できますが、「店に来たけど何も買わなかった」人の数や、「買わなかったけど手に取る、注視するなど関心を持っていた」商品が何かは分かりません。

 一方、インターネット上に展開されたECサイトでは、顧客がどの商品のページを開いたか、またECサイト外でどのような情報に触れていたかをチェックし、顧客ごとに最適な商品やコンテンツを表示するといった取り組みが行われています。店員が顧客に対面して細やかな商品提案を行えるのはリアル店舗の強みでしたが、ある部分では店員と顧客が顔を合わせることのないECサイトの方が、顧客の行動をより精密に分析しているともいえます。

 加えて、昨今のリアル店舗は、採用難、ベテラン店員の退職、人手不足による現場の疲弊といった課題を抱えており、顧客一人ひとりに寄り添った接客が難しくなりつつあります。そのため、最近ではリアル店舗でもECサイトのように顧客の嗜好や行動を把握することを可能にするためのソリューションが提案されています。

 人をテクノロジーで置き換えるというよりも、ITのサポートによって、人がより効果的な接客・売り場作りを行えるようになることが目指されています。(日高 彰)

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