【記者のひとこと】量子力学的な発想の転換

コラム

2020/01/16 10:00

 NTTは、量子力学でいうところの「重ね合わせ」の理論を応用した「量子コンピュータ」「量子暗号技術」「すべて光による通信」の三つを主要な研究テーマに位置づけているそうです。

 「重ね合わせ」の応用によって、今の電気信号と光のハイブリッドから純粋な光のみによる超高速通信の実現の可能性が高まるとのこと。NTT持ち株の澤田純社長は、「今のコンピュータは0と1しかないが、それが量子理論の応用で、いろいろなことができるようになる」と期待しています。

 理論は少し飛躍してしまいますが、例えば「都市化と地方創生」「経済発展と環境負荷」「多様性と単一性」など、相反する事象を重ね合わせるようにして解決につなげる手法は、「量子力学的な発想」とも指摘。

 「0と1」のように単純化できない難しい経営的な課題、社会的な課題も、量子力学的な発想の転換によって、突破口を見つけられるかもしれません。(安藤章司)

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