ストレージ大手のネットアップは、独自の専用OS「ONTAP」を同社の幅広い製品に搭載し、データセンターの大規模ストレージから、部署やエッジに設置される中小規模のNASまで、複数の基盤にまたがるデータを統合管理できることをセールスポイントにしています。

 今月、同社の戦略を説明するために来日したアンソニー・ライ バイスプレジデントは、このONTAPを「世界で何千社もの企業に利用されている、われわれにとってコアとなる知的財産」と表現。そして、「それをAWSに移植するという決断をした」と述べ、それまでは言わば“門外不出”の技術だったONTAPを、他社の基盤であるパブリッククラウドにも展開する戦略を数年前に打ち出したことを強調しました。

 ONTAPを使いたいからネットアップのストレージ機器を買う、というユーザーも少なくなかった状況で、門外不出の技術をクラウド事業者にも提供するということは、ハードウェア事業にとって「敵に塩を送る」ことにもなりかねません。しかし結果的には、ハイブリッドクラウドのニーズを数年前に先取りして動いたことで、同社はクラウド事業者経由で多くの新規顧客を獲得しました。どれだけ優れた秘伝の技術も、顧客の元に届くよう外に出していかなければ、価値を生まないのかもしれません。(日高 彰)

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