【上海発】6月26日に中国上海市で開幕したモバイル業界の年次イベント「Mobile World Congress Shanghai」(MWC上海)では、第5世代移動通信システム(5G)が展示の中心になった。特に、米国から制裁を受けている華為技術(ファーウェイ)をはじめ、中国勢が大きな存在感を示した。会場では、モバイル端末だけでなく、産業向けソリューションもずらりと並び、5G時代の到来を強烈に印象づけた。

「5G is ON」の文字を掲げたファーウェイの展示エリア

 入場門から最も近い展示棟では、ファーウェイが他社の2倍近いスペースを確保し、展示エリア上部に「5G is ON」の文字を掲げた。担当者によると、準備段階だった昨年から前進し、すでに5Gを活用する段階に入ったことをアピールする狙いがあるという。

 ファーウェイの5G技術を巡っては、米国が中心となって市場から排除する動きがあるが、当のファーウェイはどこ吹く風といった様子だ。展示エリアでは、韓国や英国での導入状況などを示し、各国の市場でファーウェイの技術が必要とされていることを強調した。
 
生糸一本まで識別できる8K映像の5G中継

 また、室内用の基地局を設置し、生糸一本まで識別できる8K映像を5Gで中継。遠隔操作で鉱山の重機が操作できるソリューションのほか、5Gと顔認証でバスの乗車と安全を同時に管理するシステムなども示した。担当者は「4Gは生活を根本的に変えたが、5Gは社会全体を本質的に変えることができる」と説明し、今後、幅広い産業に5Gが加速的に広がっていくとの見方を示した。
 
チャイナモバイルが展示した5Gスマート教育ソリューション

 一方、中国の通信事業者も、各産業向けのソリューションを披露。中国移動(チャイナモバイル)は、遠隔地で授業が受けられる教育ソリューションなどを展示し、中国聯通(チャイナユニコム)の展示エリアでは、ドローンを活用した無人スマート物流ソリューションに関心が集まった。
 
MWC上海に戻ってきたZTEの展示エリア

 また、昨年は不在だった通信機器大手の中興通訊(ZTE)は、5G用の室内ルータなどを展示し、5G向けの事業に注力していることをあらためて示した。モバイル端末メーカーの展示もほぼ5G一色となり、OPPOやVIVOは5G対応のスマートフォンを出品し、注目の的となった。(上海支局 齋藤秀平)