【上海発】縮小が進むスマートフォン市場で、各メーカーが高価格化路線に舵を切っている。話題の折り畳み機種を中心に価格が上昇し続ける中、中国の小米(シャオミ)は得意とする低価格機種を中国市場で発売し、競争が激化するスマホ市場で新たな一手を打った。(上海支局 齋藤秀平)

シャオミの雷軍CEO

 「価格は2999元(約4万9000円)から」。2月20日に北京市で開催されたシャオミの新製品発表会。この日、雷軍CEOが披露した最新機種「小米9」の価格に、会場からはどよめきが起こった。
 
小米9

 雷CEOが強調したのは、他社の機種との比較だ。市場で先行する米アップルの「iPhone XS MAX」のほか、会社名は伏せたものの同じ中国勢の華為技術(ファーウェイ)とみられる「Mate 20 Pro」を引き合いに出し、ソニーとサムスン製のレンズを搭載したトリプルカメラの機能や無線充電技術などで優位性をアピールした。
 
手持ちのオートモードで月を撮った場合の他社機種との比較

 比較対象としたのは、いずれも10万円を超える高級機種だ。事前の中国メディアの予想では、いくら低価格機種に強いシャオミといえど、他社の高級機種に並ぶか上回るような機能を搭載した小米9は、同じように高価格になるとみられていた。しかし雷CEOは、小米9の価格を4000元以下に抑え、さらに、小型ディスプレイ機種の「小米SE」(1999元から)も披露した。
 
雷CEOと並ぶ王氏(右)

 発表会では若者を中心に中国で人気の歌手、王源(ワン・ユエン)氏も登場。会場には、王氏のファンとみられる若い女性がずらりと並び、シャオミが高価格機種に手が届かない若年層を小米9の主なターゲットに設定していることがうかがえた。
 
「2999」の文字を強調し、価格を示した雷CEO

 雷CEOは発表会で「シャオミのブランドは、イノベーションと極めていい体験を提供することに注力している」と主張。そのうえで「シャオミは永遠に価格競争をせず、これからも人に感動を与える価格の製品を作っていく」と呼びかけた。

 中国政府系のシンクタンクの中国信息通信研究院によると、2018年の中国国内のスマホ出荷台数は前年比15.5%減の3億9000万台だった。世界市場も縮小しており、調査会社の米IDCは「19年は3年連続で減少する見込み」と予想している。30万円に迫る価格の折り畳み機種が発表されるなど、一段と高級化するスマホ市場で、シャオミの戦略が功を奏するか注目だ。