仕事納めを翌日に控えた昨年12月27日の夕方、編集部へ戻る電車の中でスマートフォンを開くと、「URGENT PRESS CONFERENCE」と題されたメールが。NECによる、デンマーク・KMDの買収に関する緊急記者会見の案内でした。あわてて電車を降りて反対方向のホームに回り、同社本社へ向かいます。

 NECは昨年1月、公共分野に強みを持つ英国のITベンダー、ノースゲートを買収していましたが、KMDも公共系ではデンマークのトップベンダー。公共安全事業にフォーカスする戦略を打ち出すNECとしては、良いシナジーが期待できるということのようですが、気になるのはノースゲート、KMDとも、最終損益は赤字であること。

 買収後はNECの支援で構造改革が加速され、再び利益を出せる体質になるという説明ですが、そのNEC自身も、昨年再び大規模な人員削減を行うなど、改革は完了していません。実績豊富で大きな顧客基盤を持ちながら、成長軌道への復帰に苦戦しているという点で、NECもKMDも悩みは同じ。近い将来、NECが今回の買収劇を「あれはいい買い物だった」と振り返ることができるか、経過に注目していきたいと思います。(日高彰)


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