ITを活用して事業構造を変革する、いわゆる「デジタルトランスフォーメーション」の話題でよく出てくるのが、製造業による小売りへの進出。ソーシャルメディアやモバイルアプリなどを通じて、企業と消費者が直接つながる時代になったことで、メーカーは中間流通業者の力を借りなくても、商品を顧客に届けることができるようになり、ユーザー一人一人に対してパーソナライズされたマーケティング施策も実施できる、といったものです。

 IT関連の商品のみならず、アパレルや食品・日用品などの業界を見ても、メーカーによる直販強化はここ数年に限ったことではなく、止まらない波であることは間違いありません。ここにデジタル変革の動きが加わることで、“中抜き”の勢いはさらに増すのでしょうか。

 しかし、大手IT商社・シネックスジャパンの國持重隆社長は、パートナーの変革を支援する役割を果たせれば、結果として同社が与する商材流通は拡大するので、卸売業者にとっても、デジタルトランスフォーメーションはビジネスチャンスであると話します。デジタル変革で流通の役割は低下するのではなく、役割が変化する、というのが正しそうです。(日高彰)

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