室内で飛ばして楽しむ「インドアヘリコプター」に「ジャイロセンサー」を搭載したモデルが売れている。デジタルカメラの手ブレ補正などに使われている技術を応用し、手ブレではなくヘリのブレを補正するもの。機体の安定度が増し操作性が格段に向上するため、初心者でも簡単に操縦できる。この夏、3社が1万円を切る格安モデルを相次いで発売したところ、いずれも品切れの店が続出する人気ぶりだ。

1万円切るジャイロ搭載モデルはどれも品薄



 玩具として販売されているインドアヘリは、数千円と価格が安く気軽に楽しめる。ところが実際に飛ばしてみると、機体がぐるぐると回ってなかなか安定せず、機体を安定させる操縦はかなり難しかった。これを解決するのが「ジャイロセンサー」。しかし、従来はホビー用途で販売されている数万円と高価な製品にしか搭載されていなかった。それをこの夏、シー・シー・ピー、タイヨー、東京マルイの3社が、1万円を切る価格で発売。人気に火がついた。

シー・シー・ピーの「ジャイロビー」(左)とタイヨーの「マイクロマスタースーパージャイロ」

 8月初旬にジャイロセンサー搭載の「マイクロマスタースーパージャイロ」を発売したタイヨーによると、通常のインドアヘリの倍近い台数を初期ロットとして生産したがすぐに売り切れ。その後も注文は続いており現状では生産が追いつかない状況だという。9月までは品薄の状況が続く見込みだ。

「マイクロマスタースーパージャイロ」のコントローラー。27MHzの無線でコントロールする

 7月下旬にシー・シー・ピーが発売した「ジャイロビー」、東京マルイが同じく7月下旬に発売した「SWIFT/IRCヘリコプター」もジャイロセンサー搭載モデルだが、いずれも品薄状態。玩具店や家電量販店、ネットショップなどでも売り切れ店が相次いでいる。店頭では「これからはインドアヘリといえばジャイロセンサー搭載モデルになる」という声も聞かれるほどだ。

「ジャイロビー」のコントローラー。赤外線でコントロールする

高性能ヘリだが、実売7000円以下で楽しめる



 赤外線でコントロールするインドアヘリ「ハニービー」シリーズをヒットさせたシー・シー・ピーは、7月下旬に超小型ジャイロセンサーを搭載した「ジャイロビー」を5754円で発売した。実売価格は4000円台前半。機体の全長は約160mm、重量約18gの超小型モデルだ。コントローラーは単3のアルカリ乾電池6本で動作し、機体の充電もこのコントローラーから行う。充電時間は約30分で、連続して約4分飛ばすことができる。

「ジャイロビー」のパッケージ。ジャイロセンサーに関する説明も書かれている

 コントロールにはコツがいるが、10分程度練習すれば、なんとか操作できるようになる。前進、上昇・下降、左右回転を、2本のレバーを使ってコントロールする3チャンネル式。ハニービーシリーズ同様に赤外線でコントロールするタイプで、約5mまで離れて操作できる。機体はプラスチック製で、飛行中にLEDライトを点灯させることもできる。

 タイヨーが8月上旬に発売したのは「マイクロマスタースーパージャイロ」。価格は8379円だが、実売は7000円を切る程度。全長約290mm、重さ約78gと「ジャイロビー」よりはやや大型だ。27MHz帯の無線で操作するタイプで、コントローラーにアンテナついており、機体にも細いヒゲのようなアンテナがついている。無線なので、機体とコントローラーの間に障害物があっても操作できるのが特徴だ。機体の充電は、付属の専用ACアダプタを使って約50分で完了。約7分間の連続飛行が楽しめる。機体が大きい分、操作は比較的やりやすい。

「マイクロマスタースーパージャイロ」のパッケージ。安定感を謳うコピーが踊る

 その他、東京マルイも7月下旬にジャイロセンサー搭載の「SWIFT/IRCヘリコプター」を発売した。全長が195mmで重さは約40g、上記2機種の中間のサイズだ。金属フレームを採用し高級感あるデザインが特徴。赤外線でコントロールする。機体への充電は、コントローラーにあるコネクターから行い、約45分で完了。約5分の連続飛行ができる。また、パソコンなどのUSBコネクターからも充電可能で、専用ケーブルが付属する。価格は6800円で、実売は6000円程度だ。

実際にジャイロの威力を体験してみた



 それでは、実際に人気のジャイロセンサー搭載機を操縦してみよう。赤外線方式では「ジャイロビー」、無線方式では「マイクロマスタースーパージャイロ」を購入。筆者はインドアヘリ初体験だったが、数十分の操作でどの程度動かせるようになるか?



ジャイロセンサー搭載インドアヘリの操縦に挑戦



 簡単なマニュアルに目を通し、それぞれの機体を充電。とりあえず使ってみた。いずれのモデルもジャイロ機能がよく効いていて、機体がぐるぐる回るようなことは全くない。さらに、どちらも飛行中に触っても墜落することなく飛ばし続けることができる。これもジャイロ機能のおかげだ。

 しかし、レバーの操作の加減がなかなかつかめなかった。自由自在に機体をコントロールできるようになるまでには、やはり練習を積む必要がありそうだ。動画を撮影する目的で、カメラのフレームから機体がはみ出さないように飛ばしてみたが、なかなか思うようにコントロールできなかった。

「ジャイロビー」:全長は約160mm、重さは約18gと小型・軽量

 「ジャイロビー」は、機体が小さく軽いので、最初のうちはレバーの加減がつかめず機体を安定させるのが難しかった。しばらくいじっているうちにだんだん加減がわかるようになってくる。赤外線コントロールなので、コントローラーを常にしっかりと機体に向けていなければならないかと思ったが、意外に適当に向けても動作するようだ。とはいえ、物陰に入ってしまうとコントロールが効かなくなるので、注意が必要だ。

「ジャイロビー」のコントローラーには、赤外線信号発信ユニットが3つついており、広範囲で操縦を可能にする

 「マイクロマスタースーパージャイロ」は、機体が大きい分安定度は高い。インドアヘリに限らず、空中で一定の位置に留まるホバリングは非常に難しいと聞く。しかし全くの初心者でもある程度はできるようになったのは驚きだ。充電に時間がかかるものの、専用のACアダプタがついており、電池式のコントローラーから充電するタイプより経済的だ。ただ、いずれの製品もほんの数分しか飛ばすことができず、しばらく楽しむとすぐに充電しなければならないのは残念だった。

「マイクロマスタースーパージャイロ」:全長約290mm、重さ約78gとやや大型

 必ずしも初心者がほんの少しの練習で自由自在に操れるようになるわけでもなさそうだが、全部で2時間程度いじってみただけでも、だいぶ楽しめるようになった。やはり、機体が安定していてコントロールしやすく、基本的には上昇と下降の加減に気をつけていればいいのが嬉しい。子どもの頃にラジコンヘリが欲しくても高くてとても買えなかったオジサン層にとっては、かなり気になるオモチャだ。(BCN・道越一郎)