7-9月にかけての休暇シーズン、海外旅行に出かけ、日常の喧騒を忘れた人は多いだろう。筆者もその例に漏れず、夏休みを利用してスペインはバルセロナに飛んだ。そしていまや旅行のお供に欠かせないのがコンパクトデジカメ。今回は、海外旅行に持って行きやすいカメラという視点で選んだキヤノン「PowerShot SX110 IS」のレビューを、バルセロナの風景とともにお届けする。

●「SX110 IS」が海外旅行に向いている理由

 「SX110 IS」は、3.0型の液晶と、有効900万画素CCDを搭載したコンパクトデジタルカメラ。レンズシフト式の手ブレ補正機構のほか、顔認識機能をワンボタンで利用できる「フェイスキャッチ」ボタンも備えるなど、初心者向けのモデルという位置づけだ。電源はアルカリ乾電池またはニッケル水素電池で、本体サイズは110.6(幅)×70.4(高さ)×奥行き44.7mm。

 そんな「SX110 IS」、なぜ海外旅行に向いているのか? 1つは乾電池で動作するという点。筆者は海外が好きで年に数回は旅行に行っているのだが、毎回デジカメの充電に悩まされる。いちいち充電器と電圧変換アダプタをカバンに詰めるのが面倒でたまらなかった。その点、乾電池は世界規格なので、どこでも調達できるし充電器もいらない。

 2つ目のポイントはサイズ。ポケットに入りやすく軽いものがいい。実はこういった持ち運びの面は海外旅行の場合、非常に重要。盗難が日本とは比べ物にならないくらい多いのでカメラはカーゴパンツの蓋つきポケットか鞄にしまわなければいけないのだけどこれはすんなりとポケットに収まってくれた。

 「SX110 IS」は、上記2点を満たしていることから選んだのだが、加えて10倍の光学ズームを搭載しており、レンズのf値が2.8と、このタイプのカメラとしては比較的明るいことも見逃せない。旅行先でありがちな、レストランや歴史建造物といった比較的暗い場所での撮影の際に、特にレンズの明るさはポイントになるので、チェックしておくといいだろう。

●気になる撮影機能の実力は?

 ここからは実際に「SX110 IS」で撮影した写真をもとに実力をチェックしていく。なお、この製品のうたい文句として「初心者でも美しい写真が簡単に撮影できる」とあるので、ほぼ全ての写真で、オートモードでの撮影にチャレンジ。なお、フラッシュ機能は常にオフにした状態で撮影した。

 まずは機内食を撮影。窓から光が十分に入っているので機内でもしっかりと撮れている。

 バルセロナ上空はどうやら飛行機銀座で、たくさんの飛行機が飛び交っていた。飛行機雲が見事だったこの写真は10倍光学ズームで撮影。写真の四隅が若干暗くなっているが許せるレベルだろう。

 ホテルに到着後、まずは部屋が荒れないうちにと一枚。洗面所なので、明かりは白熱灯のみ。かなり暗かったのだが、比較的ノイズも少なくきれいに写った。

 ホテル近くのパン屋で買ったクロワッサン。この写真だけはマクロモードで撮影。ピントも正確に合っており細部までくっきりと表現できている。

 地下鉄Selva de Mar駅のホームで撮影。直線が多く、距離感が掴みやすい広角向きの写真だが、迫力もそれなりに出すことができた。

 バルセロナといえばサグラダ・ファミリア。撮影したときはちょうど昼の12時で、太陽が真上に近い場所にあった。残念ながら建物の端など、にじみがところどころに見られる。

 パエリアで有名なレストラン「7 Portes」のパエリア。店内の照明の関係もあり、ずいぶんと暗く写ってしまった。

 続いて動画の性能もチェックしてみよう。これはバルセロナ空港から市街にタクシーで移動しているときに撮影したもの。


 現地時間21時に撮影したこの動画は、640×480、30fpsのモードで撮影しているのだが高速道路の街頭や車のヘッドライトでそれなりに周りの景色を捉えることができる。とはいえノイズがひどく、青い筋のようなものも入ってしまっており、作品として出すには厳しいレベル。

 こちらはモンジュイックの丘を下るロープウェーからバルセロナの港を撮ったもの。


 昼間に撮影したので光量は十分だが、描写は甘い。YouTubeの動画では判別しにくいが、遠景の細かい部分がつぶれている。ふだん筆者はキヤノンの「PowerShot TX1」を使っているが、約1年半前に発売された製品にもかかわらず、動画の性能はこちらのほうが高い。「TX1」はハイビジョン録画も可能で、動画にかなり力を入れた製品とはいえ「SX110 IS」の動画性能は正直低いと見てよいだろう。動画に関しては画質を抜きにした、割り切った使い方がお勧めだ。

 いろいろなシーンを撮影した中で感じたことは、「SX110 IS」は若干暗めの室内撮りに弱い気がするものの、ほぼオートモードで問題なし。光量が足りないと感じたら場面に応じたモードに変更するかフラッシュを使えば解決できるだろう。また、写真共有サイト「flickr」上に今回撮った写真のうち46枚をアップロードしている。よりこのカメラの特性を掴めるかと思うので、「SX11 IS」を使ってみたいと思う人は是非ともご覧頂きたい。(BCN・鼓金時)

※ちなみに撮影した写真で、マイクロソフトのWebサービス「Phtosynth」を試した連動記事【にわかVJ、デジカメ写真から3D世界を作り出す】こちら。