中国スマホ市場でiPhone販売が失速、2019年1Qは前年比48%減

データ

2019/05/23 19:30

 香港の調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチは5月23日、2019年第1四半期(1~3月)の中国国内スマートフォン(スマホ)市場における販売台数が前年同期比7%減、前期比(18年第4四半期比)12%減になったと発表した。iPhoneに限れば、販売台数は前年同期比48%減とほぼ半減し、前期比では41%減と急速に失速した。

中国スマートフォン実売台数シェア
(カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ 2019年第1四半期調べ)

 iPhoneの販売台数シェアも前年の13%から7%に半減して5位となった。この原因について同社は「1月以降、新型iPhoneの価格が10%ほど下がっているものの、依然として消費者が二の足を踏むレベルの高価格で、特に新機種iPhone XSではこれが顕著となり、販売台数は100万台を割り込んだ」と分析する。

 一方でファーウェイの販売台数は前年同期比28%増、vivoは17%増、OPPOは7%増となっており、iPhoneの落ち込みを上位3社が刈り取った形だ。

 ファーウェイの出荷台数は約3000万台だった。リサーチディレクターのJames Yan氏はファーウェイの動向について「HONORブランドの売り上げはほとんどがネット販売だが、実店舗網も拡充してきた。ファーウェイは、中国の春節に全販売チャネルを通じて販促を行い、これが成功した」とコメントする。

 販売台数シェアは1位がファーウェイの29%、2位がvivoの20%、3位がOPPOの19%、4位がXiaomiの11%、5位がAppleの7%、6位がサムスンの1%となった。

 また、中国のスマホ市場についてYan氏は「18年下期の市場の低迷を引きずった。下落傾向が続く大きな要因は、中国全体の景気低迷と、それによる消費者のスマートフォン買い替えサイクルの長期化にある」と分析する。

 米国政府とファーウェイを巡っては、18年12月1日にファーウェイの孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が、イランに対する米国の制裁措置に違反したとする疑いで、航空機の乗り継ぎで訪れたカナダで逮捕されたのをきっかけに関係が悪化。3月にはファーウェイが、米議会による販売制限措置の合憲性を問うために米政府を提訴した。

 5月にトランプ大統領が対中関税の引き上げを表明するなど、米中貿易摩擦が再燃する中、米国政権は5月17日、ファーウェイに実質的な輸出規制を発動した。

 5月19日にはGoogleがGooglePlayやGmail、Androidの技術的サポートを一時中断、20日には半導体を供給するインテルやクアルコムが部品の供給を中止するとの報道が流れた。こうした状況から、中国スマホ市場の19年第2四半期(4~6月)にも大きな影響が及ぶとみられる。

 日本国内でも5月22日、KDDINTTドコモ、ソフトバンク、UQモバイルが、予定していたファーウェイの新モデルの発売延期を発表。発売時期は未定とするなど、混乱が日増しに強まっている。